定期接種とされている予防接種についてのまとめ、第八回です。
ワクチンそれ自体の予防効果の是非については一番最後に触れさせていただき、それぞれのワクチンについての情報は現在の仮説が正しいとした場合でお話させていただきます。
水痘(水疱瘡)ワクチン
2014年から定期接種化されました。
もともとは病気をかかえている子ども達のために開発されたワクチンです。
感染経路
水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスによって引き起こされ、飛沫感染、空気感染、接触感染します。
ウイルスが空気中をただようのでとても感染しやすいウイルスです。
感染したらどうなる?
体内に取り込まれたウイルスがおよそ2週間かけて増殖し、発疹や水ぶくれとなって出現します。
発疹がでる1~2日前から感染力があるため、気がつかない間にまわりにうつすリスクがあります。
殆どのケースは3~5日程度、37~38度程度の発熱(子どもにとっては微熱程度)、皮膚に発疹・水ぶくれ(かゆみをともなう)を経て、かさぶた化しておさまります。
一部、10万人あたり1例程度の割合で重症化します。
主な合併症は熱性けいれん、肺炎、気管支炎、肝機能異常、皮膚細菌感染症で、まれに神経合併症です。
近年の流行状況はこちらです。
副反応
副反応報告では以下のような報告があがっています。(全文はこちら)
重篤な副反応報告は以下のとおりです。
予防のために打ったはずが、そのままワクチンのウイルス株で帯状疱疹になり未回復の子がいるようです。
3ヶ月の間に出た副反応の数で考えるとなかなか多いのではないかなという印象です。
予防効果
前述のグラフを見る限り、他のワクチンと異なりワクチンの定期接種化とともに患者数が激減しているのがうかがえます(他のワクチンは患者が既に激減してから導入されているケースが多い&定期接種後も患者が増加したりしているケースが多くそこまで「予防効果」を確認できるケースは殆ど無い)。
まだはじめて2年なので、単なる流行の衰退と定期接種化のタイニングがあっただけなのかどうなのか、今後も患者数が増えなければ効果があると認められるのではないかと思います。
ただ、「水疱瘡 打ったのに」と検索している人がたくさんいるので、小集団の中にいる親の感覚としてはあまり感じられていないのかもしれません。ちなみに私の周りは打っていた子も打っていない子もみんなかかりました(定期接種化の前)。
そもそも打ったらかからないということではなく、
『予防接種と子どもの健康』によれば、「このワクチンを受けた者のうち、約20%は、後に水痘にかかることがあります」という記述があります。
引用元:『新・予防接種へ行く前に~改定新装版』ワクチントーク全国編
ということですので、感染力が強いこともあり、ある程度流行に応じて感染がひろがることは避けられないようです。
水痘(水疱瘡)ワクチンまとめ
大人になって初めて感染すると子どもの頃の死亡率の25倍になるというデータもあるので、いっそ軽く感染してしっかりと免疫をつけたほうがいいという考え方もあります。
水疱瘡で重症化する確率は10万人に1人。ワクチンの重篤な副反応の確率も0.001%、10万分の1です。
どっちを選びますか?
という感じですが、この記事からだけではなく、色々と調べていただいて決めていただけたらと思います。
今回は水痘(水疱瘡)ワクチンについてでした。
次回へ続く。