『お母さん、娘をやめていいですか?』の見どころ!井上由美子脚本

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何か面白そうなドラマないかなぁ?

…と、新作ドラマをチェックしていたところ、タイトルが衝撃的だったので目にとまった『お母さん、娘をやめていいですか?』

2017年1月13日(金)から、午後10時~10時48分の毎週金曜にNHK総合で全国放送されます。

原作を調べてみましたが、見当たらず…でも、脚本がヒット作を連発させた井上由美子さん。そして主演は「あさが来た」で主演をつとめた波瑠さん。

これは期待出来るのではないかなと思います。

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井上由美子さんが今まで手掛けた作品の数々

木村拓哉さんが演じたことでも話題になった作品『ギフト』、『スペシャルドラマ忠臣蔵1/47』、『GOOD LUCK!!』、『エンジン』などのヒット作の他、社会問題を題材にした『白い巨塔(原作は山崎豊子の小説)』、『14才の母』などの脚本も手掛けています。

今回の作品も『お母さん、娘をやめていいですか?』も社会問題…特に心の問題に焦点をあてた作品です。

『お母さん、娘をやめていいですか?』の見どころは?

おおまかなストーリーの紹介は以下、公式ページより引用させていただきます。

【ストーリー】
娘、早瀬美月(波瑠)25歳。母、早瀬顕子(斉藤由貴)50歳。美月の中学受験や大学受験、就職の時もいつも二人三脚で頑張ってきた。美月は完璧な母のサポートで順調に育ち、今は女子高の英語教師となり、母であり一番の親友である顕子を全面的に信頼していた。二人はまるで恋人同士のように仲の良い母娘だった。この母娘の密着を父、浩司(寺脇康文)は気にかけていたものの、仕事一筋で二人の関係に踏み込むことができないでいた。
そんなとき、新築中の早瀬家を担当する住宅メーカーの松島(柳楽優弥)が、不思議な人懐っこさで二人と親しくなる。顕子は彼を気に入り、美月とつきあうように背中を押すが、美月は松島と会うことで、自分が無意識に母親の顔色を見て生きてきたことを自覚していく。顕子は娘が次第に変わり、自分から離れて行くことに動揺し、自分の一番大切なものを奪われたくない、と次第に心の奥の危険なスイッチが入っていく。そして、ついに松島を誘惑してしまう―

引用元:http://www.nhk.or.jp/dramatopics-blog/22000/252558.html

人の生き辛さの根幹を探っていくと、親子関係や家族との関係に行き着く場合がとても多いです。

人間関係を一番最初に学ぶ場所―家庭。

家庭の中で身につけた”普通”に異常性がひそんでいる場合、それに気がつくのにとても時間がかかってしまう場合が少なくありません。

>自分が無意識に母親の顔色を見て生きてきたことを自覚していく

この作品では母娘密着型の母子を題材にし、娘の自我が母親によって侵食された状態で長年生きてきた彼女の気づきから物語が進行していきます。

今まで母親と娘の境界線が無く、同化することで安定していた母と娘の関係。

娘が生き辛さを自覚した時、今までのバランスが崩れていきます。↓続く

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いわゆる毒親、アダルトチルドレン問題を題材にした作品

心理学を学ぶと目にするようになる「アダルトチルドレン」といった単語ですが、機能不全家庭に育ち、生き辛さを抱えて生きていることを自覚している人間が自身のことをそのように表現します。

別名、虐待サバイバー・アダルトサバイバーなどともいいます。

この作品は暴力、暴言といったわかりやすい虐待とは異なり、見えにくい部分の人格の否定に焦点をあてた作品です。

母親の期待どおりの人間になることを求められ、非力だった幼少の頃より母の愛を得るため、また、そうでなければ愛されないという恐怖故にその期待にこたえてきた娘…の図がそこにはあります。

25歳という、年齢的にはすっかり大人になったはずであっても、心の中には「母親にがっかりされない自分でなければならない」という呪縛がいつもあります。

このように育つことは、常に「母親の思う人間であること」を優先して生きることで、自分の意志で何かを決めるといった経験が絶対的に不足してしまい、人格が成熟しないという問題があります。

近年注目されている「心の問題」。

カウンセリングを受ける人や向精神薬を服用している人はとても増加しています。

問題の根っこにはこうした、ありのままは認めない、条件付きの愛情(実際は愛情とは異なる)の家庭に育った人間が抱える自己不全感や自己否定感、無価値感が潜んでいるケースがたくさんあります。

この作品では、このような「自分自身を生きていない」、どこか息苦しい、自分では無いものによって人生の手綱を握られたような感覚を持って生きてきた人間の、気づきからの成長を描いてくれるのではないかと期待しています。

同じような環境に生きても、うつを患ったりする人がいる一方、社会的には成功していたり、いわゆる「いい子」だったりすることも多い彼女らのような育ちですが、この作品を通じて自分の生き辛さへの気づきと、「自分として生きる」という一歩を踏み出す人が増えたら素敵だと個人的には思います。

こうした生きづらさを抱える人が読む有名な本がありますので、最後に参考書籍としてアマゾンへのリンクをはっておきます↓

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