いじめっ子の心理と対処法/自己愛性パーソナリティ障害の育て直し

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「いじめっ子」

それは他者に対して侮辱、名誉毀損、暴力、器物破損などの人権侵害行為をしてしまう人間をソフトに言い換えた表現です。子供向けにした表現かもしれませんが、精神的に問題がある場合に依存的に行ってしまう行為でもあります。

仮に我が子がいじめっ子であった場合に保護者が読んだたらショックを受ける書き方ですが、現実問題として「健康ではない」ので率直に書いていきたいと思います。

いじめっ子の心理状態が育まれるまで

いじめっ子にもタイプがあります。大きく分けて、反社会的パーソナリティ障害のようにいじめ行為を娯楽として行っている場合と、自己愛の問題により優越感・自己陶酔を得るために他人を利用しているケースがあります。今回は依存的に繰り返してしまう後者の自己愛の病理について、育て直しによる改善を願いながら書いていきます。

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人は心理的に満たされている時に安易に他者を害しようとはしません。他者を害してしまうのは満たされていない時です。では、いじめっこの満たされていない心とは何なのでしょうか。

診断は人格形成が完了したとみなされる大人になってからでないと出ませんが、いじめ依存症とでも言う状態にある大人には「自己愛性パーソナリティ障害」という診断がつきます。ただし、自分の非を認めることができないという状態を示す障害のため、治療やカウンセリングを継続することを目的としてその診断名を伝えることは稀だそうです。医師ですら改善の難しさに手を上げることが少なくありません。

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自己愛性パーソナリティ障害になる原因は、本人の生まれながらの気質と生育環境にあると言われています。特に問題とされるのは、「条件付きの愛情」「共感の欠如」をはじめとした不適切な養育態度です。

子供は生きていく中で様々なことに興味関心をいだき、それに挑戦し達成感を覚えて成長していきます。その過程で親への承認・共感を求めます。それが満たされない状態は自己愛が満たされない不全感を子供の心に残します。

また、「条件付きの愛情」などという、ある条件に合致した場合のみ称賛したり、子供の興味関心や感情に対する共感は示さないのに子供が残した結果ばかりを賞賛・評価する姿勢というのは「優越性への固執」や「自分は他者よりも特別な存在である」「自分の興味関心よりも結果こそが大事」という、他者との比較でしか自分の価値を測れない誤った感覚を育んでいきます。

これらの感覚は子供を一つの人格をもった一人の人間として育つことを大きく阻害します。

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いじめっ子は自己愛の病

本当にケアされるべきはいじめっこです。

もちろんいじめの被害にあった子どももいじめっこが抱えていた問題の肩代わりをさせられたわけですから、同様に精神を病んでしまいますが、いじめられっこがいじめっこの元を去ったとしても、いじめっこはまた次のターゲットを探して延々といじめを続けます。いじめ依存の状態にあるからです。

いじめっ子、もとい自己愛性パーソナリティ障害は「特別な自分」に執着します。一人の人格をもった人間として、適切な関わりを受ける経験が不足しているため、自分というものが無いとでも言える状態にあります。

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「ありのままの自分を愛せない病気」だと一般には言われますが、「ありのままの自分がわからない」とも言える状態でしょう。精神的な発達は乳幼児の段階で止まったまま、知恵だけ年相応についている状態です。幼児がヒーローになりきったりする成長過程がありますが、あの段階に近いです。

自我が未成熟であるため、理想とするものを取り入れ「自分はすごいんだぞ」「自分はなんでもできる!」そういった高揚感、幼児的万能感の中で生きています。また、その万能感を揺るがされることを拒むため、認知しないという状態になります。負けると癇癪を起こして泣きわめいたり、勝った者に「ずるい」「卑怯だ」などと相手に問題があるかのように言ったりする様子も、言葉が成長とともに賢くなってはいきますが実態はそのままです。

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とはいえ、心が幼児の段階で発達が止まっていても、いつまでも周囲の人は乳幼児として扱ってくれるわけではありません。身の回りの友達などと接していく中で、健全な心理的発達を遂げている人達は「人それぞれ」という感覚を身につけていきます。ですが、自己愛性パーソナリティ障害はこの「人それぞれ」という心持ちで安定することができません。常に他者よりも優越した特別な自分でなければならないからです。

ある自己愛者は脅迫的に「価値」を身に着けるべく社会的成功に邁進します。社会的ステータスの高い人間にモラハラが多いのも頷けますね。

またある自己愛者は他者を引きずり下ろして「自分よりも下」であると認識することで優越感を満たし自分を保とうとします。そしてこれらのいじめ行為は「いじめられる方に問題がある」ということにして「制裁を加えている」「正しいことをしている」という認知で行われます。躾のつもりだったといって虐待をする親も同じような心理状態にあります。

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いじめっ子の育て直し

自己愛性パーソナリティ障害の親の子供は、自己愛性パーソナリティ障害になることが多いです。その場合は親子揃って治療・カウンセリングが必要です。

もし、これを読まれているのがいじめっ子の親御さんであったのであれば、今からでも適切な関わりを心がけていただきたいです。

適切な関わりというのは、存在そのものへの共感と肯定を踏まえた精神的自立を促したコミュニケーションです。子供自身が興味を持つものを肯定してあげてください。そして、チャレンジすることと失敗することを肯定してあげてください。自己愛性パーソナリティ障害の人は根本的な安心感が欠落しているので「失敗」「負け」などのネガティブな事柄を受け入れることができません。ですが、人間は皆それぞれ得意不得意があり、人生色々ありますからそういったネガティブなことも自分ごととして受け入れられることができないと他者と健全なコミュニケーションをとることができません。

まず第一に安心感を育み、認知の歪みを直していってください。アサーティブコミュニケーションについて学ぶのもいいでしょう。衝動的傾向・癇癪などがひどい場合は投薬や栄養療法を取り入れることもおすすめします。

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自己愛性パーソナリティ障害の人は常に勝ち負け・上下関係によって自分の存在を認知しており、その認知がネガティブに振れると自分の価値が揺るがされるような恐怖感を持っているようで、徹底的に防衛機制によって「認知しない」という対応を取ります。
いじめ・嫌がらせ行為も、コミュニティにおいて自分の思い通りにならない・自分を特別扱いしない人間に対して特に執拗になされます。また、他者からの評価を大切にする自己愛者が外面を保って溜まったストレスを特定の対象に全てぶつけて発散させることもあります(家庭内のモラハラなど)。

いじめの被害にあった子どもは、その後何年も、何十年もそのトラウマを抱えて生きていきます。それはいじめっ子自身のトラウマ(未発達な自我による)をぶつけられたことで、いじめられっ子の自我までも破壊されるからです。自己愛の傷つきは伝染ります。「自分が自分でいてはいけない」という感覚はその人を、その人の人生を大きく変えてしまいます。

新たな被害者を生まないために、またいじめっ子自身が健全な人間関係を築くことができるように、もしまだ育て直しができる環境にあるのでしたら関わりを見直してみてはいかがでしょうか。

■このブログは主に被害者からみた自己愛性パーソナリティ障害の記事が多いです。被害からの回復のために自己愛性パーソナリティ障害のことを随分と調べ、知識で理解することで立ち直ってきました。自己愛性パーソナリティ障害についてもっと詳しく知りたい場合は他の記事もご参考にされてください。

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