自己愛性パーソナリティ障害と共依存の関係

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自己愛性パーソナリティ障害の行動パターンを持つ人をここでは自己愛者と表記しますが、この自己愛者の被害によく遭ってしまう人と共依存傾向については以前記事にしました。

役に立ちたい人に寄ってくる「他人を利用する人」~共依存の人間関係

今回は共依存状態にある場合はどういう感じ方・関係性になるのか、について書いていきます。

これはもう共依存状態…という例

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通常、健全なパウンダリー(自他境界)を持つ人は、自分に対して侵略的・加害的な関わりをしてくる人に対しては不快感を持つものです。

そこで、拒絶・拒否できる人はまだパウンダリーがあります。

しかし、共依存状態にある人は、拒絶・拒否できません。

・NOを表明することについて「相手に悪い」と思ってしまう

相手と自分というのは別々の存在です。しかし、パウンダリーが既に希薄になっている場合、自分の都合よりも相手の都合を優先してしまいます。そしてそれは感情ベースでもそうなってしまうため、「自分がNOを言いたい」という気持ちの優先度が相手よりも下にきてしまいます。自分が感じていることをそのまま伝えるのが難しくなっている時点でその関係は危険信号です。

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・相手のことばかり考える

同情を誘い搾取的な関わり方をしてくるタイプの自己愛者にハマると、そこには「解決すべき問題」が持ち込まれます。本来これは自己愛者の持ち物ですが、ここで「私がなんとかしてあげなくては・してあげたい」と考えを巡らせるようになっている場合、もう既に釣られています。
「○○ちゃんはこんなに苦労している…どうしたらよくなるかな」これにあなたのリソースを自主的に捧げ始めたら、それはもう危険信号です。

・自分が費やした労力に見合う変化や効果がみえないとがっかりしたり怒ったりする

これはもうパウンダリーもへったくれもない状態です。相手の問題に介入したあげく、相手が変わることを期待することはもう相手をコントロールしようとしているに等しいです。
ましてや「私はこんなに○○してるのに!」と言って相手を責め始めたらもう侵入的・支配的傾向が出てきているため自己愛傾向まで出てきてしまっています。自己愛者にタゲられると被害者が自己愛化することは珍しくありませんが、あなたはもともとそんなではなかったはずです。目を覚ましてください。もともと持たなくてもいいものを持っているのが原因です。

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・離れようと思っても躊躇する/戻っても無駄だとわかっているのに引きずる

関係性が異常であることに気がつき離れようと思ってもなかなか離れられない、「あの人にもいいところが…」というよくある状態ですが、イエローカードやレッドカードが既に規定に達しているような状態でも離れられないのは健全な状態ではありません。そこにあるのは信頼関係ではなく依存です。
また、離れた後であってもその人のことばかり考える場合、心では依存している状態がまだ解消されていないからです。「わかってもらいたかった」という気持ちが消化されないまま残ってしまうことがありますが、「わかる能力がない人」には無理な話です。

依存ではない関係

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育ちによって、依存的な人間関係を当たり前のように感じてしまう状態を標準装備にしてしまうことはあります。

また、逃げにくい環境下において自己愛者からのモラハラ被害に長期間晒され続けたりするとパウンダリーを破壊されるため、もともとはその傾向を持たなかった人まで共依存傾向を持ってしまうこともあります。

「お前よりも私(お前以外)を優先しろ!」

こういった自己犠牲的なふるまいをよしとする風潮はまだ日本では根強く残っているため、それを正しいことだと誤学習してしまうこともあるでしょう。

パウンダリーがきちんとある場合、相手の持ち物は相手の持ち物だと認識できます。そして相手の人生の責任は相手が負うものであることも理解しています。

たとえ隣にいてもそれぞれの道を歩んでいる状態ですね。

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まずは自分のご機嫌をとってください。

そこからがスタートです。

依存的傾向を持ったままだと、依存的傾向を持った人が寄ってきます。

血液のニオイを敏感に嗅ぎつけてサメが寄ってくるように、傷ついた人のニオイに敏感な人が世の中にはいますので気をつけてくださいね。

共依存の人は他人の問題解決に依存しています。そうすると一方で「他人に問題解決をさせようと依存してくる人」と受容と供給が合致します。よく「仕事はできる人のところに集まる」と言いますが、これは何も仕事だけではありません。

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コメント

  1. しの より:

    ナルさん、初めまして。自己愛性PDの女性の友人にターゲットにされこの記事で触れられているように共依存に陥ってる者です。

    今この状態が共依存なことに初めて気づきました。自身が自己犠牲型なことには気付いていたのですがまさかそれが共依存に陥ったりしてしまうとは思ってませんでした。御多分に洩れず彼女が人格障害なのでは、と気付き専門の病院を探し一緒について行ったり、自傷行為をすると夜中に脅され本気で止めてもやめることは無く振り回されてきました。彼女の両腕にある無数のリスカの跡があるのを見るたびに自分の不甲斐なさを感じてしまいます。そんな彼女とはもう10年以上の付き合いになります。

    記事にあった「変わらないことにイラつく事」がたびたび起こっていました。確かに私はこんなことにイライラしなかったのにと気づかせてもらいました。本当にありがたかったです。
    彼女の異常さ、異様さに目がいきこの異常がなんなのかにばかり注目がいってしまい、自分のことを二の次にしていたんだなと思いました。

    去年の終わり頃から私自身ストレスで悪化する病気を患いそんな中大切にしていた愛猫を安楽死させる決断をしなければなりませんでした。自己愛性PDの友人は彼氏が家を買い、猫を2匹飼い出しました。日々ゲームを一緒にしていたのですが私の状況を知った上で飼い出した自分の猫に話しかける声を数時間に渡り断続的に聞かされたことでとてつもない憤りと不信感を抱きました。
    もちろん私は怒りもせずやめてとも言えませんでした。私が唯一とった行動は愛猫の旅立ちを1週間後に知らせたという事がせめてもの攻撃でした。攻撃なのかすら分かりません。

    彼女から離れなければとなんとか適当な理由で今は距離が少し取れているのですが自分が飼っている別のペットの具合が悪いと距離を詰められそうになっています。正直完全に逃げたいです。スッパリ連絡手段を絶っていいものなんでしょうか?元カレの妹のため元カレ経由で連絡を取ろうと思えば取れてしまいますが元カレにも彼女が異常であることは理解してもらっているのでその辺は大丈夫だとおもうのですが。。
    500キロ以上離れた場所に住んでいるので物理的に距離を詰められる心配はないと思います。

    逃げるなら今だなとは思ってるのですが連絡手段を断てば終われるのか、とても不安なのです。長文になり申し訳ありません!!
    とても参考になる記事ばかりで気持ちが楽になります。下ろしていい荷物だったのだと。
    これからも色々読ませていただきます。

    • kinimini より:

      いきなり関係を切った時に相手が危険な関わり方をするようなタイプの場合は、都合が悪い・タイミングが合わないをひたすら繰り返してフェードアウトがいいと思います。
      カットアウトをしても何もしてこないタイプの場合はスッパリ切ってしまっても大丈夫です。

      私もかつて、自己愛者の取り巻きだった一人に対しては「もうプライベートで付き合いたくないので連絡先を消してください」と、相手の無礼について許せない旨をお伝えしてカットアウトしました。
      ただ、ストーカー気質の相手の場合、逆恨みで何をされるのかわからないのでカットアウトよりはフェードアウトをおすすめします。

      • しの より:

        お返事ありがとうございます!

        フェードアウト、なるほどです。
        とにかく相手は粘着がすごくて、私を慕っている自分に酔ってる状態なのです。
        私がどれだけ離れようとしてもあなたを慕っている私は健気に待っているわ感がしんどくてしんどくて。。

        フェードアウト、カットアウトの例を出していただきありがとうございます!!
        状況や状態、様々な事態がありますもんね。。正しく状況を理解して自分を守るために行動していこうとおもいます。