お局(おつぼね)…その存在はかつて「独身女性」に売れ残りというイメージが付きまとった時代からある言葉です。そのため、お局の定義には妙齢を過ぎて独身で職場に残っている女性という意味が含まれます。
とはいえ、「お局様」の本質はそこではありません。
お局が「お局」たる所以、忌み嫌われる所以はその行動パターンに由来します。
お局様の行動パターン
お局という言葉には基本的に「意地悪をする人」というニュアンスが含まれます。
そこで、具体的にどういった行動をとるのか、私の昔の職場にいたお局様の言動をご紹介します。
・評価のあがる重要な仕事だけを抱え込み、後輩にはその仕事を教えない。それでいて「私しかやらないんだから!」と周囲にアピールする。
・思い通りにならないと不機嫌を態度に出し、周囲の人間に察するよう仕向ける。
・職権乱用。公私混同。→他人が同じことをするとキレる。
・強い者にはへこへこ。目下には八つ当たり。
・脅威にならないけれど便利な子にはやさしくする。←手下扱い
・自分の立場を脅かされるとその子を完全無視したりして、いじめる。(脱価値化する)
・いじめのターゲットにした子には必要な連絡もまわさない。
・職場の上司との距離感がオカシイ(愛人?)。その上司と他の女性社員が会話すると割って入ってくる。上司にもたれ掛かりながらボディタッチ。
・上記の上司の評価が高い女性社員をディスる。
・上記の女性社員に「上司とは私のほうが仲がいいのよ」、という内容のマウンティング。
・後輩の手柄を横取りして上司にアピール。(以前記事にしたタクシー代をくすねたのもこの人です)
・上司に叱られると公衆の面前で泣く。
・上司が他の子を褒めると「あの子の方が若いからでしょ」と拗ねてみせる。上司フォロー。←気持ち悪い。
・意地悪することを女なら当たり前だと認識している。(上司の前ではやらない)
・評価があがりそうな後輩が作ったデータを消去。ごめんすら言わない。最初から無かったことにする。
などなど、なかなかキツイ「一体私は職場で何を見せられているのか」という行動を目にしてきました。
自己愛性パーソナリティ障害?(自己愛性人格障害)
さて、このブログの他の記事もお読みになっている方には、これらの言動が「あるある」であることに気がつくのではないでしょうか。
そうですね。これらの行動パターンはそっくりそのまま自己愛性パーソナリティ障害の行動パターンです。
自己愛性パーソナリティ障害は人を優劣・上下・利用価値などでしか見ることが出来ず、自分にとって都合の悪いことには過敏に傷つき認知を歪めて自分を守り、被害者意識が強く他罰的です。そして特権意識を持ちそれを主張します。対人関係は非常に操作的で、自分に都合がよくなるように周囲をコントロールします。
これらの特性をふまえて先程ご紹介した言動を振り返ると、そっくりそのまま当てはまっていることがおわかりいただけるのではないでしょうか。
対処法
自己愛性パーソナリティ障害は目には見えない障害だと捉えていただいていいです。
端的に言うと自分の中に生じるネガティブな感情を自己処理できない障害です。
そのため、現実の方を歪め、心理操作により他者を操り(洗脳し)、自己処理できないネガティブな感情の処理を他者に代替させます。本人が望んでそうしているというよりも「そうせずにはいられない」という状態にある障害です。
「自分が相対的に優位に立っていること」に非常にこだわるので、お局よりも優秀になりそうな人物、お局よりも容姿が整っていてチヤホヤされる人物などはいじめのターゲットにされてしまいます。これはもはや発作のようなものです。
とはいえ自分の評価には異常にこだわるため、これらの攻撃行動は正論の仮面をかぶりながら行われたり、非常に陰湿に行われたりすることが多いです。
彼女らの頭の中では、人を一人の人間として認識することができません。それは幼児でクリアしていくべき心理的発達段階をクリアできてないことに起因します。
人間は完璧な存在などなく、いい面も悪い面もありますが、自己愛性パーソナリティ障害の人はそういった「一人の人間の多様な面」を受け入れることができませんので、「いい人」か「悪い人」としか認識することができません。幼児は、自分が不快になると「お前は嫌いだ!」と全否定しますが、それと同じ段階にいます。
そのため、自己愛性パーソナリティ障害の人が不快になることが発生すると、その不快な原因を作った人間を「全面的に悪である」と認識して、攻撃します。「不快にさせられた自分は被害者である」という認識です。
こういった認知の歪みを根本的に抱えているため、話し合ったら理解し合える、ということは残念ながらありません。相手は幼児です。しかも、知能はついている幼児です。
対処法としては、なるべく関わらないということ、「相手はまともではない」と心から理解すること、被害情報を共有することです。
自己愛性パーソナリティ障害は、自身の抱える機能の欠陥を補うために他者をコントロールしています。そうせずには生存することができない、というレベルで長年生きてきた人達ですので、人をコントロールすることには非常に長けています。嘘の情報でターゲットを陥れたりすることなど朝飯前です。しかも認知が歪んでいるのでその嘘すら真実だと本人は思い込んでいたりします。
お局のターゲットになって既に心身に不調を感じている場合は、異動願いを出してお局から離れるかいっそ転職するかした方が一番コストが低く済むでしょう。既にターゲットにされてしまっていたら「話の通じない犯罪者に目をつけられて攻撃されている」のに等しいです。
ただ、犯罪者も馬鹿ではありません、屈強な戦士を狙うことはありません。動物的な感覚で相手を選んでいます。
対人関係を上か下か、勝つか負けるかでしか捉えることが出来ないのが自己愛性パーソナリティ障害ですので、膨大なコストを掛ければ追い込んでいくことも可能でしょう。(相手は「ありえないこと」を平気でするので膨大なコストがかかります)
とはいえ、相手は認知が歪んでいる障害者ですので、反省することはできませんし逆恨みのリスクがあります。自己愛性パーソナリティ障害は奇声を発したりはしないので一見まともにみえますが、言動をよく振り返るととても心を持ったまともな人の言動ではない、ということがおわかりいただけるのではないでしょうか。
こういった障害には背景がありますが、まずは被害に遭わないこと、自身の心身の健康を保つことの方が大切です。
筆者自身は極力関わらないことをおすすめします。
このブログには他にも自己愛性パーソナリティ障害や人間関係の悩みについての記事をたくさん書いておりますので、是非参考になさってください。