自己愛性パーソナリティ障害の取り巻きとターゲットの特徴と関係

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このワードでたどり着いた人はきっととんでもない人間関係に苦労して「自己愛性パーソナリティ障害」や「自己愛性人格障害」というワードにたどり着いて色々と情報を集めていらっしゃる方であろうと予想します。

かつて甚大なる被害を被った筆者として、これから心理学関連の記事を少しずつ書き溜めていきたいと思います。

自己愛性パーソナリティ障害の取り巻き(フライングモンキー)とは?

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自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)は基本的に無責任です。

責任を取る能力が欠落しているといった方が良いでしょう。

遺伝だとする説や環境要因だとする説がありますが、現在は環境のファクターが大きいというのが一般的な説です。

本来、自らの責任をきちんと認識して対処していく能力を発達させていくための基礎を作る幼少期に、その土台がうまく形成できなかったことにより様々な問題行動をおこしてしまう状態にあるのが自己愛性パーソナリティ障害です。また、「病気」ではなく「障害」という呼び方がされています。(診断は医師でなくてはできないため、以降、その傾向のある言動をする人という意味で「自己愛者」とします。)

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さて、そんな自分で自分の責任をきちんと認識して果たすことのできない自己愛者は、常に誰かの力が必要です。

そこで登場するのが取り巻き(フライングモンキー)の存在です。

自己愛者は支配しやすい人間に自分の手足となって望みを叶える手助けをさせていきます。

取り巻き自身も診断基準を満たすような人物であったり、診断基準を満たすまではいかなくともその傾向を持った人間であることや、あるいは自我を失うまではいっていないものの人格形成に偏りを持ったアダルトチルドレンであったりする場合が多いです(共感力がありすぎるエンパスなどのケースもありますが、ここでは心理学に焦点をあてて割愛させていただきます)。

自己愛者はそういった人間が持っていることの多い「不安」な心を操り、巧みなコントロールをしかけていきます。

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不安な人というのは安心を求めます。

したがって、強いものには従いますし弱点を指摘されると怯みます。また、「自分は自分」という自分軸で安定していられないため、他人の評価を気にしがちで、他人と自分を比較して嫉妬しやすい・もしくは卑屈になりやすいという特徴をもっています。

そういった心の隙間に入り込んで、自己愛者はマインドコントロール(洗脳)の手法を使いながら、自分自身が持っている欲をその人の中へとダウンロードし意のままに操っていきます。

マインドコントロールなんて言うと大げさに感じられるかもしれませんが、実際に自己愛者はその手法を自然に使ってきます。

自己愛者はターゲットを悪人に仕立て上げる

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自己愛者がコミュニティ内において、対人コントロールも用いたモラハラでターゲットにするのは、自己愛者が嫉妬した人間である場合が多いです(家庭内などの閉鎖的な環境下で行われるモラルハラスメントはまた別の機会にご説明致します)。

自己愛者は基本的に強いものに弱く、弱い者には強いです。(動物的なニュアンスで)

しかし、嫉妬を異常に感じやすいという特徴があり、自分の優位性を脅かされることがたまりません。人を自分より上か下かで見ることしかできませんし、常に「上」にいることにこだわります。自分という存在の価値を相対的にはかることしかできないので、相手が上だと自己愛者の中では自分の価値が損なわれてしまうのです。

「人の下になったら自分の価値は無い」、そうならないためには優位性を常に感じ続けていなければなりません。

したがって、自分の相対的価値を下げる可能性を感じる他者が目の前に現れた場合、その存在の価値を値引こうとします(脱価値化)。

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また自己愛者は動物的な感覚が優位のため、優秀でありながらも真面目でやさしい人間なんていうのは格好のターゲットです。

「同じレベルの人間になりたくない」と考えるターゲットの姿勢に、自己愛は「やり返さないからやりたい放題できる」と考えます。逆に報復が怖いタイプをターゲットにすることは滅多にないと考えていいでしょう。

自己愛者は動物的なので卑怯な手も平気で使います。そして「卑怯な手を込みで勝てる」と思えば嫌がらせをして攻撃します。ところが相手も卑怯な手を使う場合は負けて余計に惨めな思いをする可能性が高くなるのでやりません。

ターゲットにされやすい人は真面目で模範意識が強い人が多いです。

学校や職場でよくある美人への嫌がらせや優秀な人間への嫌がらせや陥れ工作は大抵、自己愛者が裏で糸を引いています。

では次に具体的例を挙げて流れをご紹介していきます。

具体的な例~①ターゲットを悪人に仕立て上げる

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<自己愛者をA、取り巻きをB、ターゲットをCとする>

三人が所属する集団において、Aが望むポジションをCが脅かす状況が生まれるとします(Aの脳内ではCさえいなければ自分がと思っています)。

そこで、AはコントロールのしやすそうなBをまずは味方に引き入れます。

Bが持っている「自分はCよりも劣っている」という劣等感を見抜き、Cの価値を値引くよう誘導していきます。

具体的には「Cは実はろくでもない人間である」という嘘のエピソードを散りばめ、疑いを持たせることからはじめ、信じ始めるとAがCによって被害を受けていると訴えるようになっていきます。

そこで、もともと劣等感が強いBはCを攻撃する口実を手に入れることになります。自己愛者もそうですが、劣等感の強い人間は逆に優越感を感じたいので、劣等感を感じさせる相手を叩けるような餌にはよく食らいつきます。

自己愛者Aによって「私よりもチヤホヤされているCは、本来そのような称賛を受けるに値しない人間である!!」という口実ができあがりました。しかもこれは正義感という仮面を被って攻撃することができるため、自分は「良い自分」のままで劣等感を払拭し優越感を手にすることができます

不安な人が求めるものは安心。正義です。
「自分が正しい」と思いながら鬱憤を晴らせる場面というのはとても美味しいわけです。

ということで、取り巻きBは正義の名のもとにターゲットCを非難し始めます。

これがよくあるターゲットが悪人に仕立て上げられていく自己愛者の手口です。

②自己愛者が望むターゲットへの攻撃を取り巻きに代行させる

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身に覚えのないことで注意をされたところで、Cは困惑します。

ところが、自己愛者の中でも狡猾なタイプは事前のイメージ操作や根回しもうまいです。

Cの「やってない!」が「自分がやったことすらみとめない奴」という評価になるように事前に印象操作済みです。

もちろん、劣等感が強くコントロールしやすい人間Bを選んで取り巻きにしているわけですから、取り巻き自体がすでに正常な判断ができる状態ではありません。B自体が既に優越感を得ることができるというメリットを享受している状態にあるのでAの言うことを信じて(口実にして)Cを攻撃します

自己愛Aが「私はこんなにひどい被害をうけた」と悲痛な演技をすれば、取り巻きBは正義を振りかざして無実のCを自分に酔いながら糾弾します。

そうして、Aが望むようにコミュニティ内におけるCの立場が弱くなり、Aの居心地の良い空間ができあがっていくのです。

自己愛性パーソナリティ障害は徹底して無責任

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なぜ自己愛者は自分自身で攻撃しないのでしょうか?

それは冒頭に説明した通り、責任能力が無いからです。そういう障害なんですね。

なので「私はお前のここが気に入らない」と面と向かってハッキリとは言いません。自己愛者自身が気に入らないと思ったこと自体も正しく認識できているか怪しいです。認知が歪んでいるのでいつも自分は被害者であると思っています。私を惨めな気分にさせた相手は悪である→悪であると本気で信じ込んでしまう、そんな感じですね。

モラハラの手口はいつだってそうですが「ハッキリ言いません」。

いつも態度や言葉の端々に匂わせて、「察しろ」というオーラで攻めてきます。

記憶すら作り変えて自分は被害者であるというストーリーを用意して相手に責任を追求するようなやり方をしてきます。

自分と相手が別の人間であるという感覚自体が欠落しているため、自分の感情の責任が相手にあると考えます。

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自己愛者は、無視、物への八つ当たり、「そんなことも言わないとわからないの?」…etc.

そうしてコントロールするのが常套手段です。察しが悪いとAの態度がキツくなる。言葉はコロコロ変わる。ダブルスタンダードが基本です。

「俺にこんなことをさせるお前が悪い」…こういった責任転嫁もテンプレ。
「本当は殴りたくなかったのに殴らされた」とDV加害者は言います。

全ては人のせいなのです。

なぜなら自分の欠落している機能を他者が補ってくれることは自己愛者にとっては当たり前なのですから。他人を自分の支配下におけなければ、自己愛者は非常に不安定になってしまいます。自分のネガティブな感情に自分で向き合うことができないのです。

自己愛者に自分と他人の区別はありません。

自分と他人が違う人間であるということがわかりません。

そもそも、自分という人間自体に重大な「機能的な障害」を抱えているのが自己愛者なのです。

■関連記事

「類は友を呼ぶ」と言いますが、自己愛性パーソナリティ障害は他者のマインドコントロール(洗脳)を得意としており、「洗脳のしやすさ」といったところで関係性を構築していきます。加害行為に加担するのは自己愛性パーソナリティ障害のマインドコントロールを受けやすい、つまり「自分自身の価値を他人
自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)が行うモラルハラスメントでは、加害者と被害者の間に一体何が起こっているのかを図解にしてみました。
マニピュレーターとは人を自分の利益のために操作する人格のことで、怒鳴ったり命令したりなど、あからまに支配的という感じとは異なり、もっとわかりにくく巧妙にコントロールする人達のことを言います。

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コメント

  1. 通りすがりのエキストラ より:

    こんにちは。

    最近職場にいる自己愛さんの対応に困っている者です。
    突然ですが自己愛さんのターゲットにならない方法ってあるのでしょうか?

    つい最近までこの診断名など露知らず、自分が失敗したから怒られる、
    自分が至らないからダメ出しをされるのだと、自分に問題があるからだと思っていました。しかしその正体は自己愛性人格障害だったようです。

    自分はよくターゲットになりやすく、
    職場でもどんどん無理を要求されとても辛い経験をしています。

    ターゲットにならない限りは平和なのですが、同調して誰かを悪く言うのは気が引けるし、取り巻きの一味にはなりたくありません。自己愛は、率先してターゲットを攻撃するわりに、いざ責任問題になると他人に擦り付けますよね。所詮取り巻きになったとしても、自分の身代わりなんじゃないでしょうか。とにかく、巻き込まれたくありません。

    かといってターゲットになるのは辛い日常の始まりです。
    ターゲットにならない方法というよりは、ターゲットになっても上手くかわせる方法ってあるのでしょうか?

    • kinimini より:

      コメントを確認するのが遅くなってしまいました。すみません。
      専門家ですら逃げろという障害ですから、個人的にはあまり同じ空間に居続けることをおすすめしません。
      ですが、自己愛性人格障害は確実に相手を選んでいます。
      勝ち負けや上下を異様に気にしますので、動物的な感覚で恐怖を感じる相手には手を出さない印象です。
      理性的でいわゆる「いい人」であり、自己愛の憂さ晴らし要因として認定されたか、もしくは自己愛の嫉妬を買った場合などによくターゲットにされるように感じます。

      また、自分が悪いのでは?と感じやすい人はターゲットになりやすいです。
      自己愛は「自分は悪くない&相手を悪いことにしたい」です。

      凹凸がうまくはまらないようにすることと、敵に回したら怖いと思わせることは大事だと思います。

  2. rii より:

    ナルさんはじめまして!
    いつもブログ拝見させて頂いてます。
    私は長年、自己愛男女のターゲットになる事が多々ありこの障害を知るまでは彼女達の行動が全く理解できませんでした。男性の場合は恋愛関係ではなく、組織が同じ場合です。酷い時は何人かから一斉に攻撃されました。
    とにかく私から自信を奪うのと、彼女達の感覚で自分が勝っている所を伝えてくるのです。
    言われた言葉がたまに思い出され辛くなる時があります。
    ターゲットから外れる事が難しく、会社を辞める事になったりしました。
    他の人から褒められる部分でさえ、自己愛の人から見たら私の欠点に見えるのですね。

    • kinimini より:

      はじめまして!
      ターゲットになりやすい人はとことんターゲットになってしまう現象があります。かつての私もそうでした。
      一度ターゲットにされてしまうとなかなか対処が難しいので、「この人はターゲットにできない」と思わせたほうが安全かなと思います。

      他の人から褒めらられる部分があるからこそターゲットにされてしまう、と考えたほうがいいです。
      基本的に自己愛性パーソナリティ障害は「人よりも勝っている」という思い込みを現実にするために、現実の方を様々な手段を講じて歪めるという特性があるので、他の人が輝いていたらそれを否定するんですね。
      なので、ターゲットにされてしまう人はむしろ魅力的な人が多いですよ。そして、多くの場合、優しすぎます。

  3. mmred より:

    初めまして
    本当にありありと よくぞ図星を書いて下さったと思っています。
    元夫は全くこの通りで、散々 長年苦しめられました。
    第三者(取り巻き)からなんでいきなりせめられるのか、訳がわからず
    それに人々が私のことを色眼鏡で見ていることを感じながら 不気味な思いを常にしながらの生活でした。
    今私はやっと離婚できて、縁が切れました。
    確かにこういう自己愛とは、キッパリ縁を切るしかないと思います。
    その取り巻きとも。
    間接的にでも一切のつながりを断つしか方法はないと感じてます。

    今回の離婚の時、取り巻きは 私を猛烈に責めてきて私を孤立させようと絶縁してきました。
    私は元夫とは再婚で 私の方にだけ子供がいました。(もう成人して妻子がいます)

    『取り巻き』は私の息子でした。

  4. まほ より:

    はじめまして
    いつも拝見しています。
    見事に核心をついて書いていてくださっているので、この世の中に
    理解者がいるんだとわかり、ありがたいと思っています。
    元夫がまさしくこの通りでした。
    ハッキリ言わず、周りに私の悪評を刷り込み洗脳し、
    取り巻きを操作し、
    自分の手は汚さないです。私はすっかり悪人にされました。

    私は再婚で 私にだけ子供が3人いました。(もう成人です)
    自己愛から身を守るには、 たしかに一切の縁を断つしかないと私も思います。
    間接的にでも、少しでもつながりを持たないようにするしか方法がないと思ってます。
    私はやっと 自己愛の元夫と離婚できて縁が切れました。が
    私にとっての”取り巻きB”は 私の息子でした。

    • kinimini より:

      承認後のコメント掲載になりますので、掲載が遅くなりました。
      コメントどうもありがとうございます。
      家族の中にそういったことがあると本当に大変ですよね。
      これから先の人生が良縁に恵まれますよう、お祈り申し上げております。

  5. アンパンマン より:

    素敵で正確な情報に感謝します。私は上司の自己愛権力者によるパワハラで、一時は自殺も考えました。どれだけこのサイトが命を救っているのか。私もちがった形で社会貢献したいと思っています。絶対にこの被害の壮絶さ自殺は普通にあると思います。自己愛性人格障害の存在や手口が世に出回ることを祈ります。感謝感謝!

  6. さゆ より:

    こんばんは。数年ぶりに投稿失礼致します(以前のHN忘れました)。無事に生きながらえて、ここにお邪魔しています!

    自己愛に対峙するたび、何度もこちらにお世話になっています。ここ数年だけでも、何人もの自己愛と関わり、疲弊しながら逃げてきました。やはり居場所を奪われまくりですが、少しずつ対処が早くなり、逃げ足も速くなってきています。

    今回は医療スタッフから、こちらが患者であるにもかかわらず嫌がらせを受けている最中です。長年懇意の医療機関ですが、複数人で辞めさせようとちまちま嫌がらせしてきていて、対処を余儀なくされていますが、幼稚な相手にもかかわらず手を焼きます。

    ですが、一見無敵の人にみえて、その実は小さく震えたアダチルであることを見抜いた今、かなり上から目線で対峙することができます。
    先日は、5人ほどの嫌がらせに対し、完全スルーを決め込むことができました。次は敵がどう出てくるか、色々先手を打ってみます。

    naru様も戦っていらっしゃるのですね。陰ながら応援させてもらっています。そして、こちらのサイト様にもSNSにも、本当に励まされています!辿り着けてよかった…生きづらさが格段によくなっています。これからもお世話になりますm(__)m