自己愛性パーソナリティ障害による虐待被害からの回復の流れ

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被害者が陥る状況

自己愛性パーソナリティ障害によるモラハラ・虐待被害は自分がぐちゃぐちゃにされた感覚を伴う被害体験です。

被害の渦中にいるときは、これにモラルハラスメントという名前がついていることも、相手がおかしいということもわからなくなっていることが少なくありません。本来は相手が加害者でこちらが被害者である、という構造があるにもかかわらず、被害者はこの問題を自分がおかしいからだと受け止めていたりします。

被害者は、ただただ自分がありのままではなんの価値もない無価値な存在で、そのような扱いを受けるようなダメな人間で、信じられる人も、自分を必要としてくれる人もいないような孤立感、孤独感の中で、自責感や罪悪感や無価値感、そしてそれを払拭したいような過剰な義務感から補償行為にハマって心も身体がボロボロ…という状況に陥っていたりします。

虐待・暴力への気づき

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モラルハラスメントはその特性上、時間をかけて相手を支配・洗脳していきます。

自分の体験にモラルハラスメントという名前がついていて、「私がダメ人間だったからじゃなかったんだ」という気づきを得た被害者も、「なーんだ!」とすぐにすっきり元気になれるわけでもありません。

身体の傷が治るのに時間がかかるように、心の傷が治るのにも時間がかかります。そもそも、マルトリートメントという不適切な養育態度では脳が変形することが現代ではわかっています。

身体の表面に傷がないだけで、脳に傷を負っていると言い換えることができるわけですね。モラルハラスメントは精神的虐待と言いますが、立派な暴力なのです。

被害を受けていたことを知った後の喪失感や怒り

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被害者は、「自分がおかしい」と思い込まされていたことを知ると、膨大な時間を失ったことに気が付きます。あまりの理不尽によって自分が損害を被ったことに、後から猛烈な怒りが湧いてくることがあります。

それは特別なことではなく、本来健康な人であれば相手の侵害に行為に対して抱くことができた感情です。被害者は加害者のコントロールによって、自分の感情そのものを疑うように仕向けられ、怒りも抑圧してきました。抑圧していた怒りが本来自然なものであったのだと理解したことによって、少しずつ開放されていきます。

この激情のような感覚は「思い出したくないのに思い出す」など、非常に強い不快感を伴いながら長く続いたりもします。それだけずーっと我慢してきたのです。

回復

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抑圧された感情の開放が進んでいき、またモラルハラスメントの性質や加害者の病的な内面への理解が深まっていくことによって、被害者は徐々に加害者という存在に対して「期待するに値しない存在である」という感覚を得ていくことができるようになっていきます。

また、加害者とは違うコミュニティでの良好な人間関係や充実した人生を経て、加害者が心底「どうでもいい存在」へと変化していきます。

「思い出したくないのに思い出す」状態を終えて、目の前の日々を生きることができるようになり、「○○?あー、あいつマジクソだったよね〜。」と言われるまで思い出さない状態になった時、被害者はもう大丈夫でしょう。

回復の助けとして

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被害者は自己肯定感が著しく低下している状態にあることが少なくありませんので、そのまま新しい人間関係を築こうと新しいコミュニティへ飛び込んでいくと、また似たような関係性にハマってしまうということが起こってしまったりします。

それは「自分は価値がない」という思い込みから、「お前は価値がない」とするずるい人を引き寄せてしまうからです。過剰な義務感、過剰な奉仕・サービス、我慢…これらの性質はモラハラ気質の人間を引き寄せます。

こういった被害後の不安定なメンタリティのときに「急に親しくなる」、そういった関係性は要注意です。

トラウマを抱えて回復途上にある方は、まずは浅い人間関係と、一人の時間を大切にしてください。そして、徹底して他者尊重のある相手との関係のみを育ててあげてください。

自分を大切にする、というのは自己肯定感が大切といいます。

ですが、粗末に扱われれば自己肯定感は下がります。逆に、大切に扱っていれば自己肯定感はあがるのです。行動を先にしてあげてください。

自分を大切にする、というのは行動です。この件についてはこちらの記事でも触れていますので是非参考にされてください。→自分を大切にするとは具体的にどういうこと?人生変えるトレーニング | 木になる実になるブログ (kinimininaru.com)

自分に手間暇をかけてあげる

あなたがホッとする瞬間はなんですか?

ちゃんと睡眠はとれていますか?

自分が喜ぶちょっとした贅沢などは自分に与えていますか?

それは何もお金をかけろという話ではありません(貧乏性もよくはありませんが)。

例えば天気の良い日に散歩をすることでもいいのです。

散歩ついでに飲みたいなと思った飲み物を景色を眺めながら味わうことでもいいのです。図書館でゆっくり本を読むことでもいいのです。バスタブにお気に入りの入浴剤を入れるのでも、自分を丁寧にマッサージすることでも、いつもより入念にスキンケアすることでもいいのです。

被害者の皆様は、他人に自分のエネルギーを費やして手間暇をかける傾向が強いです。是非そのエネルギーや手間暇を自分にかけてあげてください。

時間やエネルギーを費やす、ということは命をそれに費やしているのと同じです。

大切に使ったものには愛着がわきます。あなたがあなたを大切に扱えば扱うほど、あなた自身のことも好きになりますよ。

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