自己愛性人格障害のモラハラは洗脳!後遺症の回復のために

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モラハラ…モラルハラスメントという言葉は随分とポピュラーになりました。

しかし、自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)はまだ少し認知が一般化するには至っていないように感じます。それもそのはず、そもそも治療継続を優先して「自己愛性パーソナリティ障害である」と診断されることが少ないらしいのですね。

モラハラを行う典型は自己愛性パーソナリティ障害ですが、診断では違う名前を匂わされることもあり、モラハラの被害者もそれを信じていて「自己愛性パーソナリティ障害」という言葉にたどり着かないことがあるようです。

ここでは自己愛性パーソナリティ障害のモラハラによる後遺症に苦しんでいる人のために、押し付けられてきた無実の罪(洗脳)を解く手がかりになることを祈りながら自己愛性パーソナリティ障害の洗脳の理由・手口(=そのままモラハラの手口ですが)について書いていきたいと思います。

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モラハラは現実世界で再現する加害者の妄想である

モラルハラスメント加害者である自己愛性パーソナリティ障害というのは、自己愛に由来した人格形成において障害を抱えている人物です。

それはどういうことかというと「ありのままの自分を愛することができない」という障害です。本人はとても傲慢であり、人を見下して自分の優越性を誇示しますが、それは自分の中に抑圧された自分自身の存在に対する無価値感からの逃避です。ただ、これを本人は自覚することがとても難しい障害です。なぜならそういった弱さそのものが受け入れがたいことなので、防衛機制によって本人は認知しないようになってしまっているからです。そのことがこの障害の治療を非常に困難にし、診断名すら伝えることが難しくなっている理由です。

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自己愛性パーソナリティ障害は、「理想の自分」を自らに信じ込ませることによって自分を保って生きています。そのために現実の方を歪めて解釈し、現実の人間を洗脳します。理想の自分から外れたことが起こると許容できないストレスを感じ、そのストレスを自分の外に吐き出すことによって対処します。また、「理想の自分」だと自分自身が思い込めるような扱いを他者に求めます。それらの言動が対人関係へのトラブルの元となります。

家庭内でのモラハラが深刻化しやすいのは、自己愛者が被害者に強く依存しているためです。外面が非常にいいことが多いモラハラ加害者ですが、「理想の自分」を演じるストレスを被害者にぶつけて外面を保っているといってもいいでしょう。母子分離に失敗した自己愛者にとって自分のネガティブな感情の処理を丸投げできる、「感情のゴミ箱」を所有しているということはとても重要なことです。

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そもそも自我が未発達で自分が無く「理想の自分」にしがみついてそれらしく生きて適応しているだけの自己愛者は、自分と他人という境界すら認識することが出来ません。そして自分のネガティブな感情の処理という課題も自分で解決することができないのです。見た目はいくら大人であっても、自分が何らかのネガティブな感情を示した時に保護者がその感情のケアをしてくれるという段階で心理的な発達は止まっています。ですので身近な人間にその心理的ケアを求めずにはいられないのです(感情のゴミ箱として)。

どんなに自信がありそうに振る舞っていたとしても、根本的な部分では自分が無いのでもちろん自分へのリスペクトもありません。本当の意味のプライドもありません。ですから他人へのリスペクトも持ちようが無いのです。とにかく必死に自分に都合のいい現実・自己陶酔を求めて生きています。

自分の責任で自分の人生を生きることも自分の人生に喜びを見出すこともできない中身がブラックホールのような存在です。

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現実世界を歪めるために行われるモラハラという洗脳

加害者によるモラハラは、自分の理想の世界を構築するひとつの手段です。

加害者にとって不都合なことは自分のものではないことになります。人間は生きていれば自分にとって良くないことなどいくらでもありますが、モラハラ加害者はそれらを受け取ることができません。そのため不都合なことは全て跳ね返し、人に押し付けることで解決しようとします。

(心理学的には投影といいます。自己愛性パーソナリティ障害は投影性同一視によって受け入れがたい自分のネガティブな感情は人のものとして、また相手が実際にそのネガティブな感情を持つようにコントロールします)

「お前はだめだ」「俺が正しい」こういった言動を執拗に繰り返す背景には、優越感を得ることで自分を肯定する自己陶酔を得ることができるからです。

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自己愛性パーソナリティ障害は人からの評価を得るためという動機があればある程度行動することもできます。社会的地位の高い人物にモラハラが多いと言われるのは、社会的地位やブランドなどにモラハラ加害者が魅力を感じやすいことも理由のひとつでしょう(実際のところは自己愛性パーソナリティ障害はあちこちにいますが、社会的地位の高い人は知能が高いことも多いため、狡猾さや陰湿さが増しているぶん身体的虐待よりも証拠が残りにくい精神的虐待を行う傾向が高くなるのではないかと考察しています。)。

自分は偉い・自分は価値が高い、そういった自己陶酔の感覚は、ブラックホールのような加害者の中では一瞬満たされる麻薬のような感覚を伴います。ですがブラックホールですので、常に欲求は生まれ続けます。ターゲットに逃げられてもすぐにまた新しいターゲットを見つけて執着するのも、ターゲットがいないといられないからです。

被害者(ターゲット)は自己愛性パーソナリティ障害にとっては負の感情を処理するためのゴミ箱として、また、加害者が「理想の自分」でいるための松葉杖のような道具として利用されています。

道具ですので人として扱うことはありません。そもそも人の心を理解できません。興味があるのは「称賛されるべき自分」だけです。すべての行動はエゴを養うためともいえます。

ただただ「そうせずにはいられない」からモラハラをし続け、被害者が人間らしくいられる心を破壊して道具にしていきます。

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後遺症からの回復

長年繰り返されたモラハラの被害からの回復は、同様に長い時間を要します。

まずはモラハラ加害者…自己愛性パーソナリティ障害とは一体何なのか?ということを知ることが回復の手助けとなると思います。

いつもいつも否定されることを繰り返すことで、被害者は「自分の感覚を信じること」が難しくなります。自己愛性パーソナリティ障害について知ることで、自分がされていたのと全く同じことがされている…という驚きのパターン化された自己愛者達の行動が見えてきます。それにより、相手の精神病理の姿が見え、自分に落ち度があったわけではないということを理解することができるでしょう。

洗脳は、解けてしまえば見える世界が一変するものの、洗脳にかかっている時点で見える世界は全く違うものです。

「私は間違っていなかった。」
「私は非難されるような人間ではない。」
「私に対して言ってきたあの人格否定の言葉は相手の自己紹介である」
「あの人がおかしかったのだ。」

こういったことが腑に落ちた時、きっと世界は一変するでしょう。

自己愛性パーソナリティ障害はとても外面がいいです。そのために生きていると言っても過言ではありませんから。被害にあってしまったことを肯定的に捉えることは難しいですが、これから先の人生が愛に溢れた人生でありますよう、ブログを書きながら読者の皆様を応援しています。

■他にも自己愛性パーソナリティ障害に関する記事を多数書いておりますので、ご参考にしていただければ幸いです。

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コメント

  1. もも より:

    はじめまして。記事を沢山読ませていただきました。とても参考になりました。

    学生のときにいじめ・モラハラ被害を受けて、10年以上たった今、やっと加害者への怒りがわいてきたところです。
    この記事を読んで、少しずつでも自分は回復できてるんだとほっとしました。
    被害を受けてから人生が変わってしまったので、まだ辛いときもありますが、怒りは少しずつ前進していると捉えて自分を大事にしていきたいです。

    naruさんの活動で心が救われる方がたくさんいると思います。これからも応援しています。

    • kinimini より:

      被害を被害だと認識することにも時間がかかったりしますよね。
      我慢してきたご自身の感情をどうか大切にケアしてあげてくださいね。

      励みになるコメントどうもありがとうございます。