自己愛性人格障害の頭の中はどうなっているのか?

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自己愛性人格障害の行動パターンの理由

自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)のコミュニケーションパターンは、基本的に比較・投影・歪曲・論点すり替え・矮小化・隠蔽・ほのめかし・忘却・貶め・悪口の吹聴などです。

これらの行動は自己陶酔を得るため、また「理想の自分」を守るために行われます。

自己愛性人格障害は他人との比較によってしか自己を認識することができず、また、その自己を認識する際には「優れた自分」といった優越性のある自己像でなければ受け入れることができません。「惨めな自分」「価値がない自分」というものは抑圧して認識しないということを防衛機制によって殆ど無意識にやっています。その障害の深さが根深ければ根深いほど無意識です。自己愛性人格障害を自覚できる状態というのはまだ改善の可能性がある状態ということですね。

自己愛性人格障害はこれらの「理想の自分」にすがりつくことなしに自分を保つことができません。そういう障害です。

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自己愛性人格障害は他人を必要とする

自己愛性人格障害ではない人は、自分の楽しみを自分で見つけることができます。また、自分の好みと他人の好みが異なるということが理解できます。「人それぞれ」という当たり前のことをきちんと心で理解できている状態なんですね。

ところが、自己愛性人格障害は自分の内側から発生する喜びが希薄で、「権威」・「価値」・「優越性」といったものでしか自分を認識することができません。

健全な人は、自分が歩んできた人生を振り返った時、そこに自分独自の意味のようなものを見出すことができますが、自己愛性人格障害の人間はそうではありません。自己愛性人格障害の人間が人生を振り返る時、そこに意味づけするのは「自分はいかに価値のある人間か」という確認です。過去の栄光を語り、相対的な価値を確認して、「理想の自分」を感じて悦に浸ります。そうせずにはいられないのです。

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自己愛性人格障害は自分で自分を認識することができないので、常に他者を必要とします。かといって客観性があるということではなく、そもそも自分と他人が別の存在であるということを認知できるところまで心が発達していません。乳幼児と母親の関係性を脱することができていないのです。そのため、「理想の自分」を確認するために、母乳を求め、おむつ替えを要求する乳幼児のように、自分が不機嫌を示せば養育者がケアをしてくれる関係性を当然だと認識しています。

乳幼児が養育者を必要とするように、自己愛性人格障害は他者を必要とします。そうしなければ生きられないのです(ターゲットに逃げられると鬱になったりします。)。

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自己愛性人格障害の人生

自己愛性人格障害にとっての人生は、上記の理由から常に「自己価値の確認」作業の繰り返しになります。それは際限のない自己陶酔を求めることであり、他者の領域への不当な侵入と不当利用の繰り返しです。

ターゲットになった人間が精神を病むことが少なくないのは、自己愛性人格障害が「理想の自分」を保つために周囲の人間をコントロールするからです。

自己愛性人格障害は自分と他人をきちんと認識できませんから、安易に他人に侵入します。息をするように周囲の人間を洗脳して生きています。そのように適応して社会生活を一見まともに営んでいるのです。知能の高い自己愛性人格障害の場合、その影響力は凄まじいです。

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自己愛性人格障害のターゲット被害に遭った人の洗脳を解く

これからは、この記事にたどり着いた被害者の方へ向けたメッセージになります。

自己愛性人格障害の被害に会った人間はなかなかその怒りや悲しみや憎しみから脱することができません。自己愛性人格障害の投影性同一視などにより、謂れのないネガティブな評価を押し付けられ自分自身を穢されてしまいます。その穢れは紛れもなく自己愛性人格障害の人間本人のものなのですが、感情を揺さぶられて無理やり被害者の持ち物であるとされてしまいます。

人は自分自身に向けられた言動を自分のものであると受け取る習性を持っています。

「あなたたちは優秀なので集められました」と言われたクラスと、普通に集められたクラスとでは、同じ水準であったはずの成績が変わるんですね。

自己愛性人格障害のターゲットにされるということは、これの逆のことを延々とやられ続けるということです。自分の価値を踏みにじられ、自分を信頼する力を削がれるということは、自分の可能性を自分で潰すように仕向けられることでもあります。これは、自己愛性人格障害の人間が相対的な優位性に固執することに由来します。自己愛者は相手のことを潰すことで「自分は幸せである」と認識するんですね。

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物質のエネルギーというのは高いところから低いところにしか流れません。熱いものは冷めます。高いところにあるものは落ちます。自己愛者は人を貶めることでエネルギーを得ようとしますが、そのことこそが自己愛者の方こそエネルギーが欠乏していることの現れですし、ターゲットの方がむしろ優位な立場にいることの現れです。

自己愛性人格障害にターゲットにされるという時点で、あなたは自己愛性人格障害よりも強い心を持っています。自分の人生を豊かに楽しめる心を持っています。であるからこそターゲットにされてしまったんですね。

いくら自己愛性人格障害があなたの価値を値引こうとしても、自己愛性人格障害の中身は空っぽです。必死でその空っぽな中身を外側から補おうとしているのです。

長く洗脳されていると、自分が自分ではないような心地や、自分を信じる力が弱くなってしまいますが、思い出してください。あなたは素敵な人です。そして優しい人です。だからターゲットに選ばれてしまったのです。

泥棒は、金を持っていて盗みやすいところからとります。自己愛性人格障害も同じです。心の金持ちでありながら同情心・責任感が強めの人をターゲットに選びます。なぜなら「かわいそうアピール」「~するべき」などの言動によって相手の良心につけ込みコントロールがしやすいからです。

「ターゲットにされてしまうほど魅力的なあなた」をどうか思い出してください。

記事を書きながら応援しています。

モラハラ加害者の代表格である自己愛性パーソナリティ障害は、「理想の自分」を自らに信じ込ませることによって自分を保って生きています。そのために現実の方を歪めて解釈し、現実の人間を洗脳します。理想の自分から外れたことが起こると許容できないストレスを感じ、そのストレスを自分の外に吐き出
自己愛性パーソナリティ障害は、現実を現実のまま受け入れることができない障害です。自分は価値のある存在であるという思い込み(現実逃避ですが)を守るために、現実の方をコントロールしようとします。 自己愛性パーソナリティ障害のターゲットには種類があり、大きく分けて「利用」がメインと
同じ人間だとは思えない嫌がらせ行為の数々をし続ける人に出会ったことはありませんか? 人を無視し、人の悪評をばらまき、「私はあなたよりも価値が高いの」とでもいう言動の数々に、どうしてそこまで他人に関心があるのか不思議に思い、その異様な執着心はなにかの病気なのかなと思ったりしますよね。

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コメント

  1. Spring より:

    このブログに救われました。まさに先週付き合っていた人と別れた後、偶然その人が自己愛性パーソナリティ障害であることを知りました。その時はある意味わかってよかった、というなんとなくスッキリした感じがあったのですが、色々と調べていくうちに、自分が不毛の関係に費やしていた時間やエネルギー、あるのは苦しさだけでそしてそこに全く愛がなかったことを知り、やっと「ああ、自分は傷ついてたんだ」とわかり、惨めな気持ちでどうしようもなくいました。そこで見つけたこのブログ、救われました。
    共感性、私、とても高いです。日本の教育現場(元教育者)では共感性を養うことは大切であるとされています。自己愛者にターゲットにされやすい共感性とは何か?一緒に考えたいです。

    • kinimini より:

      どうもありがとうございます。
      コメントの承認が遅くなりましたすみません。

      日本の教育現場では、自己愛性パーソナリティ障害に都合にとって都合のいい教育がされている部分があると感じます。
      というのも、人権に干渉するような校則が未だにまかり通っており、集団を管理する方向でシステムを作ってしまっている点と、賞罰教育が自己愛性パーソナリティ障害を育みやすい土壌にしてしまっているのですね。
      自己愛性パーソナリティ障害は、自身は「人のため」に動ける共感能力を有していませんが、共感する力の強い人から搾取することには長けています。

      回復途上には、まだ気持ちが乱れることもあるかと思います。
      ご自身の感情、感覚を味わいきって、いたわってあげてください。

  2. 西山輝代美 より:

    ナルさん、記事を書いてくださりありがとうございます。ナルさんの記事は私の気持ちを代弁してもらっているようです。過去を振り返り、主人のモラハラの手口だった事を思い出しました。主人の弟が土地家屋を購入したことに主人は嫉妬していたようです。新築祝いの帰り道で私とケンカをし、私に対して、「お前の人生は楽しいのか?!自分の家だからといってのうのうとしていやがって!お前の生活は甘いぞ!今のお前の生活態度ではこれから人生やっていけないぞ!もうお前とは離婚だ!」と怒声を浴びせてきました。自分の弟の新築祝いとは関係のない言葉に驚き、その後真綿で締められるように洗脳されていきました。主人は気に入らない事があると離婚をちらつかせて私を捻じ伏せて私が納得せざるを得ない状況にしていきました。でもナルさんの記事にたどり着き少しずつ洗脳が解けてきました。今では静かな気持ちで主人に、「では離婚届の用紙を持ってきてください。あなたは市役所職員だし、たくさん用紙はあるでしょう?なんなら私を訴えてください。そして私にも弁護士をつけてください。」と言えるようになりました。主人は、「はあ?何だこの女?頭おかしくね?」とキョトンとした顔をするようになりました。ナルさんの記事にたどり着いた事に感謝しています。

    • kinimini より:

      そのように言っていただけると私も嬉しいです。
      モラハラは本人の問題を他者になすりつけるための行為ですから、「なすりつけられてる」と気づいて受け取らなければ本人のもとへ帰るようになっていきます。
      不要なものを持たずに、これからの人生が快適になっていけることを私も願っています。