自己愛性パーソナリティ障害は嫉妬深く「嫉妬されてる」と思い込む

Pocket

Sponsored Link
 

自己愛性パーソナリティ障害は嫉妬深いです。

自分という存在そのものが不安定なため、自分と人とを比較せずにはいられず、さらに自分の価値は高くなければならないので嫉妬を嫉妬と認めることもできません。

自己愛性パーソナリティ障害が嫉妬深い背景

自己愛性パーソナリティ障害とは自己愛の障害です。ありのままの自分は受け入れることができません。そのため肥大化した自己像を自分の中で守るために認知を歪めて生きています。
「受け入れがたい現実」から逃避しているのです。

「受け入れがたい現実」とはなにか?それは自分は価値のない人間だという無意識です。

Sponsored Link
 

自己愛性パーソナリティ障害は過保護や過干渉が原因だと言われています。
このような不適切な養育態度は、健全な自己愛を育むことに失敗します。

なんでも許される、いつも否定される、あるいは自分の意思とは関係のないことで全てが決められている、これを守っていれば褒められて甘やかされる、…これらは例ですが、こういった環境の中で育つということはこのような環境に適応するということに他なりません。

・周りの人間は自分が機嫌の悪さをしめせば全部思い通りに動く。

・ありのままの自分は価値がない→自分の奥底に自我はしまい込んで「価値のある自分」を演じる(自我自体が健全な発達をしない)

・価値というものは決まっていて、それを手に入れることができればわがまま放題して良い。

これらはいわば、心の育成に失敗した状態です。
乳幼児期は、保護者の適切な保護の中で、自分の感情をありのままで認識できるようになり、また、母親が自分とは違う一人の人間であるということも次第に理解していきます。

ところが、こういった自己受容や情緒の発達、自分以外の人間の感情を知るという経験が不足すると、もちろん学習不足によりその機能を習得しそこねてしまいます。

自己愛性パーソナリティ障害はいわば、心・情緒面での発達に障害がある状態です。

Sponsored Link
 

この障害によって、自分のありのままを愛せない&他者と心の交流を持てない自己愛性パーソナリティ障害は他者と協調や共感の関係性を構築することが難しくなります。

人間関係が優劣や上下関係になり、「常に勝っていないければならない」「負けを認められない」「惨めさを感じさせる相手を破壊したい衝動」という歪みを抱え、それが異常な嫉妬深さへと繋がります。

人間関係は常に競争として認識されているので、健康な人なら気にもしないようなことでも常に勝ち負けに異常にこだわります。このような状態を神経症的競争といいます。

誰かが自分の話をなにげなくした際に「私のほうが」とやたらいつも張り合ってくる状態ですね。きっと思い当たるエピソードがあるのではないでしょうか?

これらは学歴や職業などのわかりやすいもののみならず、体調の悪さなど本当にくだらないことでも張り合ってくる姿勢となってあらわれます。会話に共感がないのです。

Sponsored Link
 

なぜ「嫉妬されている」となるのか?

自己愛性パーソナリティ障害が嫉妬深い理由についてはおわかりいただけたのではないでしょうか。

では、なぜ自分が嫉妬しているのではなく「嫉妬されている」という状態になるのでしょうか。

自己愛性パーソナリティ障害は良いライバルになれるような健全な自己愛は持っていません。ですので「負けず嫌い」ですが自身を負けず嫌いだと認識することができません。そういった泥臭い自分を認識することすらも拒否して自分を守るのが自己愛性パーソナリティ障害です。

負けず嫌い、というのはいわば負けることもあるという前提が存在しますが、自己愛性パーソナリティ障害にはその「負けることもある」という前提自体が存在しないのです。

存在しない、というのが鍵になります。

Sponsored Link

自己愛性パーソナリティ障害は心の障害者ですので、防衛機制という心を守る機能が健康な人よりも些細なことで高頻度に発動する状態にあります。

嫉妬するというのはネガティブな感情ですが、そういったネガティブな感情が自分にあるということ自体が自己愛性パーソナリティ障害にとっては受け入れられないことなのです。そのため、自分が嫉妬しているのではなく相手が自分に嫉妬しているのだ、と投影という心の機能が発動します。

嫉妬という感情そのものは多かれ少なかれ誰にでもあるものですが、その感情を自分で認識して乗り越えるという心を育むことができなかったわけですから、その不快な感情は無かったことにする以外にできないのです。負けず嫌いなのに負けず嫌いではない、というのはそういうことです。負けというのは「無い」のです。認識できないのですから。

Sponsored Link
 

まとめ

このような理由により、自己愛性パーソナリティ障害は非常に嫉妬深いですが「嫉妬されている」と認識してしまうのですね。

自己愛性パーソナリティ障害のような人に初めて会った人は「嫉妬されてる」と本気で思っているのか?ということにまず驚きますが、障害ですので、本人はそのように認識しています。

自己愛性パーソナリティ障害は自分の中の肥大化した妄想の中に生き、その妄想を現実だと思い込んで人を巻き込んでいくような障害です。自分のネガティブな感情は相手のものだと思いこんでしまいますので、関わる人はいつも身に覚えのないことで批判されてしまいます。

自分が嫉妬しているにも関わらず、嫉妬されてると騒いで被害妄想から相手に嫌がらせをするということもよくあるパターンです。何度も何度も攻撃・批判されていると自分の感覚がおかしくなってしまうことがありますので、相手の障害の特性を理解した上で心理的境界線を強固に保ってください。

このブログでは他にも自己愛性パーソナリティ障害をはじめとした人間関係の悩みに関する記事を書いてますので、ご興味のある方は是非他の記事も読んでみてください。

Sponsored Link