モラハラ加害者の特徴/モラハラの原因となる精神疾患や病気

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モラルハラスメントをする人には特徴があります。

それは、他者尊重の視点を持つことが難しく(共感の欠如)、自分は正しいと思い込んで他者にその正しさを押し付け(心理的境界線の不全)、特権意識を持ち(誇大自己)、その特権が脅かされるような事態になると被害者意識を持ちながら「反撃する(当人の中では)」という心理的傾向です。

これらの特徴はそのまま自己愛性パーソナリティ障害という人格の障害の特徴に当てはまります。

 自己愛性パーソナリティ障害の診断を下すには、以下の5つ以上に示されるように、自分の価値についての過大評価、賞賛への欲求、共感性のなさが持続的に認められる必要があります。
  • 自分の重要性や才能について、誇大な、根拠のない感覚を抱いている(誇大性)。

  • 途方もない業績、影響力、権力、知能、美しさ、または素晴らしい恋という空想にとらわれている。

  • 自分が特別かつ独特であり、最も優れた人々とのみ付き合うべきであると信じている。

  • 無条件に賞賛されたいという欲求をもっている。

  • 特権意識をもっている。

  • 目標を達成するために他者を利用する。

  • 共感性に欠けている。

  • 他者を嫉妬しており、また他者が自分を嫉妬していると信じている。

  • 傲慢かつ横柄である。

また、症状は成人期早期までに始まっている必要があります。

引用元:MSDマニュアル家庭版

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本物のモラルハラスメント加害者は自己愛性パーソナリティ障害

モラルハラスメントは精神的虐待行為ですが、モラルハラスメントが問題視されるようになったのは、現代が昔よりも人権意識を持つようになった時代的背景があるからです。

そもそも数十年前は、パワハラやセクハラを始めとした各種ハラスメント…人を人として尊重せず、権力の勾配を利用して支配する行動を咎める空気自体があまりありませんでした。

そういった空気の中で、「普通」だと認識しているからハラスメント的なことをしてしまってきた人も多くいたでしょうし、また、まだ現在でも多くいるでしょう。

ところが、そのようなハラスメントが横行する世の中であっても、人の心を持っている人間であれば心が痛むような、明らかにやり過ぎなことを良心の呵責も感じずに執拗に続けてしまう人たちがいます。

このような人たちは健康な自己愛を持っていないため、ハラスメント行為をせずにはいられないという心理構造を持っています。

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モラハラをせずにはいられない人たちの精神構造

冒頭でモラハラ加害者の特徴は自己愛性パーソナリティ障害の特徴と同じである、ということについて書きました。

ではなぜ自己愛の障害がそのような行動となってあらわれるのか?というと、健全な自己愛が無い、ということは人格形成で重要な部分に欠損を抱えているということであり、そもそも自分も含めて人を人として認識することができないという障害だからです。

自己愛性パーソナリティ障害はありのままの自分を愛せない障害である、と言われていますが、実際はありのままの自分そのものが未発達な障害です。これは重度であれば重度であるほどその傾向は強くなります。

「自分がない」ので自分を愛することはできません。そして、からっぽな自分はそのままでは価値がないので(と無意識で感じている)、自分は価値が高いのだと思い込めるよう、自己陶酔を得られる現実を強く望み、そうでない現実は受け入れられない脆弱性を抱えています。

このような弱さが、虚勢を張り、虚構で身を固めるために他者を支配するような行動となって表れます。「自分が正しい」としか心は受け入れることができないので、モラハラ加害者はいつも「自分が正しい」としか思うことができません。

この「自分が正しい」としか思うことができない、というのは、防衛機制によって認知することができないというレベルで、です。

したがって、対話を試みても論点がずれたり記憶が改ざんされてしまい、話が通じません。正しい自分の言うことを聞かない相手が悪いと本気でそう思い込みますし、ハラスメント行為も「悪を裁くための正義の主張」だと本人は認識しています。

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この「自分が正しい」としか思えない、ネガティブな感情を自分で処理できない、という障害は、自分と他人を違う存在だと認識できない自他境界の不全と重なり合うことで、他者を自分の心のゴミ箱として扱うという行動となって表れます。

心理的自他境界が機能していないということは、他人は自分の延長線上だと認識している、ということですので、相手が自分の思う通りになることを当然だと思うことになります。そして、当然思う通りにはなりませんので、そこで被害者意識や正義感からハラスメント行為に及びます。

これが「モラハラをせずにはいられない」ということです。

自己愛性パーソナリティ障害は人格形成の失敗を、他者を利用した支配と被支配の関係によって補うことで生活しています。自分で処理できないネガティブな感情を他者に押し付けることで自分を保っているのです。

さて、今回はモラハラ加害者の特徴について説明しました。なぜかモラハラの加害者として発達障害がやり玉にあげられていることも多いので、是非自己愛性パーソナリティ障害という障害を被害者の方には知っていただきたいと思い記事にしました。

このブログでは自己愛性パーソナリティ障害や人間関係の悩みについての記事を多く書いています。是非参考にしてみてください。

自己愛性パーソナリティ障害が生まれ育つ背景には自己愛性パーソナリティ障害の親がいることが殆どです。そして、自己愛性パーソナリティ障害の被害に頻繁に遭ってしまう「被害者体質」、心理学的には共依存傾向のある人が生まれ育つ環境にも、多くの場合家族に自己愛性パーソナリティ障害がいます。
どうも日本では自己愛性パーソナリティ障害の特徴がアスペルガー症候群をはじめとした発達障害の特徴として紹介されていることが多いので、その見分け方の参考に記事をまとめました。~自己愛性パーソナリティ障害の特徴的行動でありながら発達障害の人には難しいこと~
自己愛性人格障害の攻撃行動は驚くくらい同じです。被害に遭った人がそのやり口に「自己愛性人格障害」だと気がつくことができるのも、あまりにも同じようなことが別の場所で起こっているからです。ターゲットの悪評を流し善人を悪人に仕立て上げる これは学校や職場などのコミュニティにおけるモラルハラスメント

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