能ある鷹は爪を隠すのはなぜ?メリットを心理学から解説

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本当の実力者はその才能をひけらかさない、と言います。
その理由は、真の実力者は自信があるので承認欲求をこじらせていない、という面もあるでしょう。半端者の方が周囲に認めてもらいたがる傾向がある、というのも実際そうですね。

ですが、実は「能ある鷹は爪を隠す」には、隠している方がメリットがある…というよりも不要なデメリットを回避できるという傾向があるからなんですね。

特技を持っている人は知っている「出る杭は打たれる」

日本には「能ある鷹は爪を隠す」に関連することわざとして「出る杭は打たれる」というものがあります。

優秀な人ほどいきなり辞める、というのもよく言われることですが、だいたいデキる人には仕事が過剰に集まり、周囲に依存される傾向があります

「この人ならやってくれる」と思われるのは、頼られているといえば聞こえは良いですが、同じ給料で本人が望んでいなくとも、能力が秀でているだけで「できるんだからやってよ」とそれを当然のように要求されるようになっていきます。

そして、期待通りにならないと「なんで!」となるのが非常に理不尽な点です。

「出る杭は打たれる」というのは、周囲よりも抜きん出ている人は嫉妬されるということ、依存されるということ、過剰に期待をかけるようになって期待通りにならないだけで叱責されるようになる、ということです。

フォローされるわけでもなく過剰に仕事を振られ、理不尽に叱責される、ということが続けば優秀な人だって人間ですから、嫌になって辞めて当然ですね。

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目立つ特技を披露すると厄介な人に絡まれるリスクが急上昇する

お金持ちって泥棒に狙われやすいですよね。
実は心理的な部分を泥棒する存在が私達の周りには意外に結構いるんです。

これは何か華やかな特技を持っている人にはあるあるではないかと思いますが、その特技が顕になった時、べた褒めしながら急接近してくる人というのがいます。

こういった行いをする傾向は、心理学的には自分と他人の区別がつかない、自他の境界が未発達な人によく見られる行動です。

自己愛性パーソナリティ障害や境界性パーソナリティ障害などがその代表格ですが、これらの人たちは人の一面だけを見てそれをその人の全体だと思い込みます。また、自分と他人の区別がついていないので、相手が自分の思い通りになることを無意識に要求してきます。

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<具体的な行動パターン>

①褒めて急接近(心理学的には「理想化」の段階 ←「この人は全てがいい」と認識)

②親友のようなポジションにいきなり移行(心理学的には「癒着」が始まる段階 ←「この人は私」と認識)

③相手を軽んじ始め、相手は自分の思い通りになって当然だと要求(自他の分離が出来ていないので「他人=自分」としか感じられない)

④要求どおりにならないことに激怒&攻撃(心理学的には「脱価値化」 ←「この人は全てが悪い」と認識)

これらはパターン化されており、実際何かを持っている人には「よくあること」です。

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このブログでは自己愛性パーソナリティ障害のトラブルについてメインに書いてますが、境界性パーソナリティ障害と診断済みの人も同様のことをしてきました。

自己愛性パーソナリティ障害や境界性パーソナリティ障害を持った人は、幼児期の心理的発達に課題を抱えたままなので、子どもがヒーローやヒロインになりきるのと同じ行動をリアルでとります。それはどういうことかというと、「価値が高い」ものと自分が同一の存在であると感じるということです。「子どものなりきり」ですね。

そして、この障害を抱えた人は一人の人間にいい面も悪い面もある、ということを受け入れることが出来ない段階で心理的発達が停止しています。そのため、「理想化」の段階にある時は「その人の全てが良い」と認識します。また、自分の思い通りにならないと「その人の全てが悪い」と認識し、相手を価値のないものであると脱価値化をはかります。脱価値化とはつまり相手の価値を値引くということです。

もちろん、実際は違う人間ですし、完璧な人間なんて存在しません。そもそも相手が自分の思い通りになるなんてことはないわけです。ところが、これらの障害を抱えた人は、自他の境界が無いので、「相手が自分とは違う人間である」ということがわからないんですね。

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嫉妬攻撃回避

ひとつ前の段落で説明した自己愛性パーソナリティ障害ですが、この障害にはもう一つ大きな特徴があります。それは「異常に嫉妬深い」ということです。

何かと人よりも優位にいることにこだわるのが自己愛性パーソナリティ障害です。自己愛性パーソナリティ障害は人との関係を上下、勝ち負け、優劣などでしか見ることができません。そして自分は常に「優位」にいなくてはなりません。そういう障害です。

そのため、自己愛性パーソナリティ障害の嫉妬の対象になった場合は、嫌がらせやいじめに遭うのがデフォルトです。健全な心を持った人ならやらない嫌がらせやいじめを平気で行う人がいますが、その多くが自己愛性パーソナリティ障害です。

そして自己愛性パーソナリティ障害は自分で自分のネガティブな感情を処理する能力を持たないため、反省することも、自分が相手に嫉妬していることも認めることはできないでしょう(そもそも自分を省みることができる能力があれば愚かないじめや嫌がらせなどしません)。

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能ある鷹は爪を隠すのはデメリット回避のため

さて、能ある鷹は爪を隠す理由について書いてまいりましたが、根本的に同じ問題を内包しているということがおわかりいただけますでしょうか。

なにかの能力を持っているということは、お金を持っていると考えるとイメージしやすいかと思います。基本的に持ってると知られるとタカられやすいんですね。

人はみんな健康な精神状態にあるわけではありません。身体のどこかに悪いところがある人もたくさんいるように、心にもどこか悪いところを抱えて日常生活を送っている人はたくさんいるんですね。模範意識や道徳的な物の考え方も、「衣食足りて礼節を知る」と言われるように、心身ともに健康であるからこそ守ることができるものです

自然界において「目立つ」ということは、戦闘意外ではリスクです。逆に目立ってしまうということは戦闘に巻き込まれやすいということでもあります。
無意味な諍いを避ける、という意味でも「能ある鷹は爪を隠す」というのは賢い知恵です。「能ある鷹は爪を隠す」というのは、様々な人が生きている世渡りの知恵として、厄介事を避けるために理にかなった行動なのですね。

このブログでは人間関係の悩みを軽くするための知恵として、自己愛性パーソナリティ障害の周りで起きることが多いトラブルに関する記事をたくさん書いています。

是非お悩みの方は、他の記事も参考にしてみてください。

自己愛性パーソナリティ障害は嫉妬深いです。「自分一人で自分の価値を感じることができない」という障害のため、常に人との比較において優位性から自分の価値を感じようとし続けます。そのため嫉妬を感じた対象を一方的にライバル視して「相手に勝っている」ということにしようと脱価値化をはかります。
お局(おつぼね)…その存在はかつて「独身女性」に売れ残りというイメージが付きまとった時代からある言葉です。そのため、お局の定義には妙齢を過ぎて独身で職場に残っている女性という意味が含まれます。とはいえ、「お局様」の本質はそこではありません。お局が「お局」たる所以、忌み嫌われる所以は

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