不機嫌を表に出す人の心理/職場の不機嫌ハラスメント

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「(私、機嫌が悪いんです!!)」

を態度に表すあの人、職場の雰囲気が悪くなるので嫌ですよね。最近ではこのような言動をフキハラ(不機嫌ハラスメント)と呼ぶようです。

今回はこのフキハラについての記事になります。

不機嫌ハラスメントはモラルハラスメントの一種

不機嫌ハラスメントという言葉自体まだ新しいですが、実はこれ、モラルハラスメントの一種なんです。

モラルハラスメントとは精神的な嫌がらせの総称であり、様々なパターンがあります。

・態度などの非言語メッセージによる支配

・無視(これも上記の中のひとつ)

・受動的攻撃行動(サボタージュなどを用いた嫌がらせ。パッシブアグレッシブともいう。)

・ディスカウント(←値引き。人の価値を値引く言動。いわゆるディスり。)

・マニピュレーション(対人操作などを用いた嫌がらせ)

・マウンティング(「お前は私よりも下だ」)

・ガスライティング(誤った情報を執拗に与えることによって被害者の気を狂わせていく嫌がらせ)

この中でみてみると、不機嫌ハラスメントとは「非言語メッセージによる支配」ですね。

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不機嫌ハラスメントの効果は「相手に気を遣わせること」

さて、ではなぜ加害者はこのフキハラをするのでしょうか?それは先に述べた通り「非言語メッセージによる支配」を目的に(無意識であったとしても)行われます。

大人になれば、基本的に自分の機嫌は自分でとることを前提としてコミュニケーションをとるようになります。それは互いを尊重するからこそ、自他境界を設定してコミュニケーションをとるようになるからです。もちろん、どうしようもなく落ち込んでいる時、どうしようもなく苛立つこともあるでしょう。ですが、それを「私は機嫌が悪いんです」と表さないようにするのが健康な大人の姿であり、それでも漏れ出てしまっている態度については気を遣わせてしまって申し訳ないと感じるものです。

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ところが、不機嫌ハラスメントをしてしまう人は、この自他境界を設定して他者を尊重するという態度を身に着けることができていません。「私は機嫌が悪いんです!」という態度を顕にすることにより、他人の境界に侵入して相手が自分にケアすることを求めているわけですね。要は精神年齢が非常に幼いわけです。

「機嫌の悪さを示せば養育者がケアしてくれる」という態度は乳幼児のそれと同じです。

健康な人は、乳幼児期から大人になるにしたがって段階を踏んで精神的に成熟していきますが、見た目が大人であっても、この精神的な成熟がうまくいかないことがあります。自分の責任を自分で取る、という能力の獲得は後天的なものですので、前述のケースはその能力の獲得ができていない状態にあります。

自分が不機嫌を示せば周りの人が気を遣ってケアしてくれる、という態度の根本的な問題は「一人では自分の心の排泄物の処理ができない」ということです。

幼児性は万能感につながっている

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そしてこのような「一人では自分の心の排泄物の処理ができない」という幼児性の強い状態は、同時に幼児的万能感につながっています。

自分ではできない、とはすなわち「他人がやってくれて当たり前」という段階から卒業できていないからです。

幼子は幼児的万能感にあふれています。実際には非力でいろいろなことが他人の手を借りなければできないわけですが、自分はなんでもできると思っています。他者の力を借りているという状態が標準装備なので、そこに感謝もありません。自他境界がまだできていないのですね。

職場で不機嫌ハラスメントをするのも、自他境界が不全だからこそできる行為です。機嫌の悪さを示すことによって周囲が気を遣ってくれて当然という無意識があるからこそできる行為です。

不機嫌ハラスメントへの対応

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相手の幼児性に気がついたら、職場としてはなるべく「自立を促しながら養育する養育者」の態度をとるしかありません。わがままし放題にするわけにはいきませんし、仕事をしてもらわなければならないわけですから、何をしたらいいのか、何をしたらいけないのか、それらの賞罰を明確にすることは大切です。

幼い人というのは本当に「幼い」ので、自制心が乏しく、強いものには弱く、弱いものには強く出ます。

「不機嫌で周囲をコントロールすることが可能である」という成功体験を積ませてはいけません。怒鳴り散らして欲しいものを手に入れた幼児はそれを成功体験として学習し、怒鳴り散らせば欲しい物が手に入ることを覚えます。保護者は面倒くさいという感情から「手抜き」をして相手の感情によるコントールの手中にハマってしまうことがありますが、このような態度は非常によくありません。そしてこれは大人でも同じです。

ですので、相手の不機嫌は無視か場の空気を悪くする行為として注意する対象となります。

ハラスメントというのは一人では成立しません。必ずそこに被害者がいます。ですので、数々の攻撃行動を無力化するためには会社・コミュニティ全体でハラスメントの性質、ハラッサーの特性などを共有することが大切です。

他にもハラスメント、人間関係の悩みなどについての記事を多く書いてますので、お困りの際は是非参考になさってください。

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