自己愛性パーソナリティ障害はうつる?の関連記事になります。
自己愛構文なのかもしれませんが、「被害者が一方的に被害者なわけない。自分も加害しただろう。」ということを言われたことがありました。
過去記事かツイートにて、自己愛者からの虐待被害によって自己肯定感が下がり、補償行為として「べき」に縛られ、他者も「べき」で縛る傾向を持つことがあることには触れたことがあったような気もしますが、今はツイッターでアンケートをとることが可能になりましたので、実際のところどうなのか、皆様にご協力いただいて数字にしてみました。
今回は800人を超える方々にご回答いただきました。
アンケートにご協力いただいた皆様、どうもありがとうございました。
「被害者は加害者になる」は真実か?
こちらがそのアンケート結果になります。
私の質問の仕方が悪かったので、より加害傾向の強い方にチェックを入れてくださいという文言を最初の質問に入れておりませんでした。とはいえ無気力・抑うつ状態の人以外ということで次の質問に進む形式にはしたので、質問の趣旨をご理解いただけていればそこまで数字に大きな影響は無いのではないかと…思いたいです。
「全部」とお答えいただいた方。行ったり来たりしながら被害後全部を経験する、というのは実際私もそうでした。はい。全部ですよね。すみません。
こちらのアンケート結果では、ハラスメント(嫌がらせ)被害を受けて自分も嫌がらせしたのは4%のみでした。
嫌がらせの内容までは質問していませんが、殆どの方が言動がキツくなったことを自覚し、価値観を押し付けたことも自覚している状態での4%です。自己愛者は「自分は悪くない」と考える人達ですので、嫌がらせをしても嫌がらせをしたとは認めません。言うならば「反撃せずにいられないほど攻撃された」と脳内変換されるので嫌がらせしたとは認識しません。この時点で自覚のある嫌がらせは自己愛者特有の変質的なものではない、と言えるのではないかと思います。
「自己愛性パーソナリティ障害」はうつるのか?
結論。
同等になる、という意味でうつることはほぼ無いです。
言動がキツくなる、価値観を押し付ける、というのは自己愛者あるあるの行動ではありますが、それは変質的な嫌がらせをして甚大な被害を出す自己愛性パーソナリティ障害のそれとは明らかにやり方や程度に違いがあるからです。
私は普段のTwitterの発信では「自己愛者」などの表現を使っています。それは勝手に診断することができないからという理由でもあり、また、あらゆるものがスペクトラムであり、投影性同一視のひどさがそこまで顕著ではないものの自己愛性パーソナリティ障害の行動パターンを頻繁にとっている「グレーゾーン」のような人もいるからです。
そういう意味で言えば、価値観を押し付けるというのは自己愛性パーソナリティ障害のグレーゾーン行動である、とは言えるでしょう。この行為は自他境界を侵しているからですね。虐待被害は境界侵犯ですから自他境界を曖昧にさせます。後遺症の一種であると言えるでしょう。
ただ、障害と言えるレベルの人達のモラハラ被害に遭った人はわかると思いますが、あの人達のやる嫌がらせというのは本当に変質的です。
人に絡みつき、執拗に人を害すること・優越感を味わうこと・人のエネルギーを奪うことを目的として行動します。押し付けてくる「べき」もその手段として、相手を縛る道具として使うわけです。だから簡単に矛盾したメッセージをおくってくるわけですね。模範として押し付けているわけではないのです。
ハラスメント自体は連鎖することがある
ただ、こちらのアンケートに多数の回答があった「言動がキツくなった」&「価値観を押し付けた」というのは、自己愛性虐待とは異なっても、相手次第でハラスメントに該当してしまう行動になり得ます。「嫌がらせをした」も確信犯のハラスメントですね。ハラスメント被害者全体の3~4割にこのような影響が残っています。
このような結果から、絶対に連鎖するものではないものの、ハラスメント自体は連鎖する傾向があるということはできるでしょう。虐待の世代間連鎖も研究によってバラつきがみられるものの30~50%と言われていますので、おおむねハラスメント自体の連鎖の割合がそのくらいなのでしょう。
冒頭に紹介した記事にて、自己愛性パーソナリティ障害の加害者とその被害者について「機能を持たない人間とオーバーワークで機能が故障した人間」として紹介してます。
今回のアンケートでは、それが目に見える形になったのではないでしょうか。
被害者の皆様は、心のトイレを持たない加害者の排泄物をあなたの心のトイレにぶち込まれ続けました。その量があまりに多かったので詰まってしまったのです。
自己愛性パーソナリティ障害は、人ん家の心のトイレを勝手に使います。しれっと勝手に使っていたりすることもあれば、罪悪感を煽ったり義務感でもってドアを開かせていることもあります。
被害者は「トイレは人に貸すもの」だと思い込んでしまい、大量の排泄物を処理する状況に追い込まれます。そしていつの間にか「トイレは通常他人に貸すべきもの」と勘違いをしてしまうのですね。
ですが、トイレを借りていく人間の中には金品を盗んでいくやつがいるわけです。ですからそもそもトイレは貸すべきではないんですね。
相手に返そう
被害後、殆どの人はなかなか元の状態には戻れません。
こんな「人間」がいるのか、という現実を知るともう見える世界が同じになることはないでしょう。
ただ、こちらをお読みの皆様は、その存在をもう知っています。そしてその甚大な悪影響も知っています。
相手の排泄物と自分の宝物を無理やり交換させられていたことも知っています。
相手のものを相手に返し、自分の宝物がそこにあることを確認してください。
大丈夫です。本当は盗めないものだからです。
そしてあなたと同様に宝物を持っている人達と、キレイだねとリスペクトし合いながら、トイレを借りる泥棒を家に入れず、豊かな人生を過ごしていってください。
以下、今回度々リンクを貼った関連記事です。