毒親育ち・アダルトチルドレンの学習性無力感と被害者体質

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自己愛性パーソナリティ障害のターゲットになりやすい人となりにくい人、というのがこの世の中には存在します。

そして、どこにいってもタゲられる…という俗に言う被害者体質の方とアダルトチルドレンには深い関係があります。

自己愛性パーソナリティ障害の人間関係

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自己愛性パーソナリティ障害の人間関係は、「自己陶酔を得るために他者を利用すること」を根っことし、支配&被支配、利用という関係によってその人間関係を維持・継続しています。

なぜなら健康な人がもっている自己愛がないため、他人を愛する能力も持っていないからです。自分を愛することができない人は他人を愛することはできません。互いに尊重しあうような人間関係を形成すること自体ができないのです。

え?あんなに自分ばかりを大切にしているのに自分を愛していない??

と思う方もいるかもしれませんが、あれらの行動は「自分の価値を高く保つために必死になっている状態」です。自分の価値に傷がつくようなことを受け入れられる心が育っていないので必死に自分を守っているのですね。自己愛性パーソナリティ障害の言動パターンをとる人物に対して「自己愛が強すぎる」と表現することがありますが、強いというよりは不健全な自己愛を形成してしまっているのが彼・彼女らです。

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どんな自分でも、まぁ、いっか!!

こう思える人は健康な人です。人間ですから当然失敗することもたくさんありますし、得意不得意だってあるわけですが、そういうものも全部ひっくるめて「でもこれが私だし!私は私のこと好きだな」そう思えている人は、自己愛性パーソナリティ障害の人のように他人の評価にそこまで強く依存しません。

自己愛性パーソナリティ障害は他人に依存しているからこそ執拗に他人に絡み、他人の価値を値引いたりして「自分は価値があるのだ」と相対的に優位にあるとこじつけでもいいから感じようとするのです。

被害者体質の学習性無力感

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さて、対して被害者体質の人はどうでしょうか?

よく自己愛性パーソナリティ障害のターゲットにされてしまう被害者体質の人の背景には、過去、自己愛性パーソナリティ障害からの支配を「逃れられないこと」として学習してしまっているパターンがあります。

いわゆる「毒親」がいた養育環境ですね。毒親に育てられた人に起こっていることを説明するために、実験の話をします。

犬に電気ショックを与えるという実験がありました。

A.電気ショックを与えられるが、それから逃れるための方法が用意されているパターン。

B.電気ショックを与えられ、電気ショックから逃れることができないパターン。

C.何もされないパターン。

これらの環境で学習したのち、このA,B,Cの犬を移動し、電気ショックから逃げられる環境で再び電気ショックを与えたとき、顕著な違いがみられます。

AとCの犬はそう変わらない時間で電気ショックから逃れます。
ところが、Bの犬だけ逃げません。

これは、Bの犬は「電気ショックからは逃げることができない」と学習してしまっているからです。これを学習性無力感といいます。

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心当たりがありますよね?

毒親育ちにはこのBの犬と同じことが起こってしまっていることが少なくありません。

電気ショックは自己愛人間がしてくる虐待的・搾取的なアクションです。

毒親(自己愛性パーソナリティ障害)に支配される環境で生き、「逃げられない」ということを学習することで、毒親育ちは似たような虐待的・搾取的な人間関係からも逃げなくなります。

自己愛性パーソナリティ障害は、前述のとおり、その人間関係は支配・被支配で成立しています。したがって、支配を受け入れてくれる人のところに行っては人を支配するということを繰り返します。

毒親育ちがどこにってもタゲられるのは、コミュニティに一人や二人混ざっている決して少なくない自己愛人間がいつも「虐待を受け入れてくれる人」として被害者を見つけるからです。

人は学び続けることができる

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自分の責任ではないことでいつも損をしていると嫌な気分になりますね。

ですが、今もうこれを読んでいるあなたは間違いに気がつきました。テストで間違えたところも勉強しなおせば〇がつきます。間違えたら直せばいいだけです。

どういうところが自己愛人間を惹きつけてしまうのか?ということに気をつけて言動を変えていけばいいのです。自己愛人間は相手を選んでいます。

◆自己愛人間はいつでも自分優先です。

したがって、自分よりも他人を優先する人は確実にタゲられます。やさしさや思いやりは他人にだけではなく自分にも発揮しましょう。

◆自己愛人間はいじめがしたくてウズウズしています。そしてできればノーダメージで攻撃がしたい。

したがって、攻撃によるメリットよりもデメリットが上回る相手には安易に攻撃しません。やり返して同じレベルに落ちることを恐れる人がいますが、違います。同じレベルにはそもそもいません。相手と付き合わないための自衛です。無視されたら無視すればいいのです。嫌がらせされたら公にして恥をかかせればいいのです。

◆自己愛人間は無責任です。そして無責任でありながらも利益だけもらおうとします。

罪悪感を煽ったり同情を誘って人から搾取しようとします。責任の範囲を明確にし、過剰な責任を負わないようにしましょう。相手の荷物は相手のものです。また、できることとできないことは明確にしましょう。

◆自己愛人間はいじめやすいかどうか、ジャブを打ちます。

ちょっと失礼・ちょっとわがまま…この「ちょっと」を許容する人をタゲります。「これくらいならいいかな」は確実に膨れ上がります。即座に拒否しましょう。「それどういう意味?」「え~~???www(何言ってんのお前?というニュアンス)」、など、「お前の言動は受け入れない」を示してください。

◆自己愛人間は様々な理由をつけて人をコントロールしようとします。

究極「やりたくないことはやらない」でいいのです。被害者体質の人は「理由」に弱いです。何か断るにも理由が必要だと思っている傾向がありますが、「やりたくない」「気が進まない」「好きじゃない」これはとても大切なことです。あなた自身の感じ方を根拠として行動を決めていいのです。

学習によって無力感を獲得してしまったのであれば、学習によって無力感を手放せばいいのです。人は変われます。そして、人間は自己愛性パーソナリティ障害のような病的な人ばかりではありません。健康な人との健康な関係はあなたの心を軽くし、人生を豊かにしてくれますよ。

他にも関連記事を書いておりますので、ぜひお読みになってくださいね。

自己愛性人格障害は加害欲求が強く、無責任で他人を利用します。対してターゲットになりやすい人達というのは自罰的思考が強く、必要以上に責任感が強く、人の役に立つことを望みます。ターゲットとして悩んでいる人にとっては不愉快でしょうが、凸面と凹面が見事に合致した相性となってしまっています。
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