「こんなこともわからないのか」「お前が間違ってる」「普通は○○だろ!」
こういった言動を執拗に浴び続けていると、人は自分で自分の感覚を信じることができなくなっていきます。
人は社会的な生き物のため、他者との交流によって自分というものを認識していきます。その土台は幼少期に形作られますが、大人になっても「関わる人間からの扱われ方」によって自分への認識は変化していきます。
この記事を読んでいるあなたが「自分はこのままではいけない」「自分は頭がおかしいのではないか?」そんな感覚に支配されてしまっている時、その背景にはあなたをそのように思い込ませてくる不健全な人間関係が隠れていることが少なくありません。
本当におかしい人は自分がおかしいと思えない
「お前が間違っている」と執拗に言い続ける本物のモラルハラスメントの加害者は、いつも自分が正しいと思っています。それは精神構造的な問題であって、防衛機制が過剰に働いてしまう状態にあるために自分に対するネガティブな情報は受け取ることができないからです。
子どもは良い・悪いを同一のものの中に同時にあることを認識できない、統合ができない状態にあります。人にはいい面も悪い面もありますよね。それを認識できないからこそ、自分の思い通りにならなかったときに「ママ嫌い!」と全面的に拒否する言動になります。
この発達段階は、健康的に段階を踏んでいくことができれば徐々になくなり、母親を一人の人間として認識できるようになっていきます。ところが、この段階にとどまったまま大人になってしまうケースや、退行してこの段階に戻ってしまうケースがあります。
こういった状態にある人は、自分を肯定するために「自分は正しい」と思う一方、自分のネガティブな感情を自分で処理する機能を持たないので、「間違っている」などのネガティブな側面は他者に擦り付けることで自分を保ちます。その擦り付け役を担う人間関係の中にいる時、擦り付けられた人はだんだんと「お前がおかしい」を真に受けて「自分はおかしい」と洗脳されていきます。
「自分はおかしいのではないか」は洗脳の効果
本当におかしい人は自分がおかしいと思うことができない、では「自分はおかしいのではないか」と思える人はむしろまともだということです。
上記のような「自分は正しい」の人は、過剰な防衛機制によって自分が加害行為を行っていてもそれを自覚することもできません。「自分が正しい」と同時に「自分以外が間違っている」という、統合できない状態にあるからです。統合できないという能力的な欠陥を他者を利用することによって補っているわけです。
対して「自分はおかしいのではないか」と思う人は、自分を疑う目を持つことができる人です。この時点で過剰な防衛機制は働いていません。無力感や無価値感に苛まれて涙が止まらなくなったり、不眠症になってしまったりすることはありますが、これらは過剰なストレスが原因であり、「自分は正しい」としか認識することができない、という根本的な障害とは一線を画します。
やることなすこと何をしても否定される、という状態は異常です。そして、些細な失敗に人格否定される、という状態も異常です。それをする側が異常です。
こういったモラルハラスメントをする人間はいつも被害者を「頭がおかしい」といいますが、本人がおかしいからこそそういうことにせずにはいられないのです。
モラルハラスメントに気づく
理由のわからない無価値感や罪悪感にさいなまれる時、背景にモラルハラスメント…心理的虐待が隠れていることがあります。
このブログではモラルハラスメントについて、またモラルハラスメントをせずにはいられない障害について多くの記事をまとめています。
「自分がおかしいのではないか?」この疑問はどこからきましたか?誰と関わってから生まれてきた疑問でしょうか?今一度ご自身の周りの人間関係が健全なものであるかどうかを確認してみてください。
そのためにこちらのブログをお役立ていただければと思います。