毒親は褒めないで否定ばかりする【毒親育ちあるある】

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毒親とは、「毒になる親」。

毒になる親 一生苦しむ子供 (講談社+α文庫) [ スーザン・フォワード ]

この本のタイトルが定着したものですね。

その言動パターンは、まさに毒として子供の心と身体を蝕んでいきます。

なぜ褒めないで否定ばかりするのか?

毒親は子どもを一人の人間として尊重することができません。自分の子供がまるで自分の延長線上にある手足のような感覚で自分の子どもを認識しています。

そして自分の子どもの「自我」が見えることに対して不快感を覚えます。まるで子どもが「私はお前ではない!」と反抗しているように感じてしまい、生意気だと思うのですね。

もちろん、子どもが親とは別の人格であることは当たり前なのですが、そう認識できないのは親自身の問題です。なぜ毒親は子どもを一人の人として認識できないのでしょうか?それは親自身の「幼さ」が原因です。

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「子どもは親の言うことを聞いていればいい!!」

「生意気を言うな!!」

「そんなことは大したことではない!!」

…これらの言葉は毒親あるあるフレーズですが、全てに共通するのは「お前を一人の人間として(感じていることも含めて)認めない」という態度です。

毒親が子どもを一人の別の人格を持った人間であると認識することができていないこの状態は、心理学的に言うと心理的な自他境界を侵している状態になります。この心の境界線のことはパウンダリーともいいます。

人には心のテリトリーのようなものが存在し、それぞれを尊重し合うことで良好なコミュニケーションが可能となります。ところが、毒親は心の発達に問題を抱えており、この心理的な境界線が存在しないので子どものテリトリーにズカズカと侵入し「ここは親のテリトリーである」と主張します。毒親とはつまるところ、子どもを支配する親です。

心の発達は、乳幼児期~学童期~…と段階的に発達していきますが、何らかのトラウマがあったりした場合、この段階が退行してしまったり、あるいは停止してしまったりします。このような問題を抱えた親は親としての責任を全うするのが困難な「幼さ」を抱えてしまうのです。

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支配のためには自信を砕かなければならない

人は自信を失えば失うほど自分で自分のことを決めることが困難になり、他人に依存するようになります。要は、自他境界が不全になります。自分のテリトリーに他人を入れるようになれば支配される側になり、他者のテリトリーを侵害して「自信(偽物)」を補おうとすれば支配する側になります。

毒親はこのことを無意識レベルで身につけています。支配する側でいるためには対象の自信を砕く必要があるのです。

自他境界が不全な状態で生きている、ということはその状態で適応してしまっているので、この支配・被支配の関係性を普通だと認識して生きているということです。

もしあなたが毒親だと思っている親が、子どもが一人の人間であることを認識することができて、「自分は干渉しすぎていたな」と感じることができる感性を持っているのであれば、まだ改善の見込みもあるかもしれません。

毒親レベルが高いケースでは、その人格的特徴は自己愛性パーソナリティ障害と殆ど合致するようになります。親が自己愛性パーソナリティ障害であった場合、他者を支配することは当然で、自分の異常性を自覚することはできません。また、他人からの批判やダメだしをきちんと受け止めること自体が非常に難しいでしょう。

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自己愛性パーソナリティ障害は人格の障害です。自他境界が不全で、脆弱な自己愛を守るために過剰な防衛機制を働かせます。「弱い犬ほどよく吠える」という状態ですが、他者と歩み寄るためには、互いにポジティブな意見もネガティブな意見も交換してすり合わせていく能力が必要です。そしてその能力は、あまりにも脆弱な自己愛ではできないんですね。自分に対するネガティブな評価を受け入れることができる、というのはある程度の強さが無ければできないことあり、弱すぎる人は「ネガティブな評価」自体、認知を歪めて無かったことにするしかありません。

自己愛性パーソナリティ障害は、弱すぎるが故に「自分が正しい」ことにしがみついています。したがって、「自分の方が下」「自分が間違っている」という現実は歪めて対処します。自己愛性パーソナリティ障害は健全な情緒の発達をしていませんので、人間関係を上下関係、利用価値、優劣、支配・被支配の関係性でしか見ることができません。

いつも人を褒めず、否定ばかりするのも、「自分が下になる」「自分の優位性が脅かされる」「相手が自分の支配下でなくなる」ことからの逃避です。ましてや相手が自分の子どもの場合、子どもは自分よりも弱者として長年振る舞えていた相手ですから、尚更でしょう。

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毒親育ちの方へ

毒親育ちであるということは、自分を育て直してからはじめて健康な人と同じスタートラインに立てるということです。

ご自身の責任の範囲外のことについて、やりきれなさを感じることもあるでしょう。必死にもがいてやっとスタートラインに立ったくらいのときに、全くそのような苦労をせずに人生を歩んでいる人を見て空虚な気持ちになることもあるかもしれません。というか私自身が今もそういうときはあります。

ただ、自分は健康な家庭に育っていないという事実を事実として、過去よりもいい今日、今日より明日を選び生きていくことは可能です。損した数十年を「取り戻す」ことはできませんが、残りの人生をよりよいものとすることは可能です。

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「これから先のことは自分で選べるのだ」、と心から知ることは、あなたにその力があるのだという気づきをもたらしてくれます。毒親はあなたのエネルギーをふんだんに搾取し、あなたに多くの呪いをかけたでしょう。それは毒親自身もかかっている呪いですが、今このような文章にふれることができているあなたは、自分の状況を知ろうとできている人です。自分にかけられた呪いに気がついて、それを解こうとできる方です。

悩み苦しんで、それを変えたいと思う、調べることができる、行動することができるからこそこの文章を読んでいるわけですから、すごいことだと思います。

あなたの未来がよりよいものとなりますよう、応援しています。

他にも毒親育ちにありがちな人間関係のトラブルや自己愛性パーソナリティ障害についての記事を多く書いてますので、是非参考になさってみてください。

アダルトチルドレンの皆さん、お友達いますか?付き合うのが苦痛な友達…フレネミーに囲まれていませんか?「友達はつくるものではない、自然とできるものだ。」というのは、健康な人にのみ当てはまることです。アダルトチルドレンが「自然に」人間関係を構築した場合、それは殆ど依存関係になります。
人間関係の問題にぶち当たった時、だいたいどこにも書いてある「自分を大切にしましょう」という言葉。今となっては私も書いてますが、「そもそも...

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コメント

  1. アンブレラ より:

    実母との関係でノイローゼになり色々検索していてこちらに辿り着きました。
    母には自己愛と発達障害があると思います。
    ターゲットは長女の私、他の家族(父、妹)や親族がフラモンです。
    周囲の人間すべてから「お前が悪い」と攻撃されて生きてきました。
    若いうちは反抗してしょっちゅう大喧嘩してました。
    どれだけ客観的に説明して母の言動が私にのみ攻撃的で異様なものか、
    どれだけ私が苦しんでいるか何時間かけて話しても、得られるのは逆ギレの謝罪のみ。
    「ああ、そうか!わぁるかったなあ!!」
    私をにらみつけてそう言い放った数秒後には話の内容をすべて忘れています。
    産まれた時から実母にタゲられてきたせいか世間に出ても同じです。

    私自身若い頃は気力や生来の我の強さでなんとか頑張ってやってきました。
    ですがここ数年、自分が年を取ってきたせいかこれまでの扱われ方が響いてきていて鬱気味になってしまいました。
    母は相変わらずですし自分が高齢になってからは被害者ぶります。
    「なにげない言動で娘を気付つけたらしいのだか悪気はなかった、なのに大事に育てた娘に責められ嫌われている可哀想な母親」という設定です。
    私がされ何十年と指摘してきた自己愛の異常行動についての話はきれいさっぱり忘れ去っています。
    母が攻撃するのは私だけで妹は溺愛していて、妹は母の味方です。
    その妹も母が弱ってくると私に媚びてきていて吐き気がします。
    父の難病を患っていて家を出る機会も逃しました。
    この父と母は昔から折り合いが悪く父が暴力的だったため母は父には逆らえずそのストレスを乳幼児~学生だった私で発散していたと自分でも認めています。
    相手が子供だから何をしても大人になったら忘れるだる、どうせ結婚して家を出ていく奴だから、だそうです。
    母曰く離婚しないのも妹の反抗期もご近所トラブルも全部私のせい。
    産まれた時からずっと実の親から自己愛攻撃にさらされ続けた人間はどうなるのでしょうか。
    もう自分の人生や精神状態が何なのか分かりません。
    意識があるのが苦痛です。ずっと眠っていたいとそればかり考えています。