モラルハラスメントの被害に遭っても、それがモラルハラスメントだと気が付けないということが少なくありません。
気がついたときには後遺症が残るレベルで傷ついている、というのも悲しいことですがよくある現実です。
筆者自身、モラルハラスメントに関する書物を手にした時、「あの気持ちが悪いものに名前がついている…」ということを知った時の視界が開けたような感覚は忘れもしません。
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このブログでは、自己愛性パーソナリティ障害(人格障害)がよく行うモラルハラスメントについての情報を発信し、皆様の気づきを促そうと活動しています。
モラルハラスメントの被害に遭っている時の特徴
基本的に話の終着点は「被害者が間違っている」
モラルハラスメントには色々な種類があります。
モラルハラスメント=精神的嫌がらせのことなので、その種類は多種多様です。言葉によるものだけでなく無視や大きな物音、不快だと伝えたはずのことを繰り返す…など。
ですが、その内容はつまるところ、被害者をぞんざいに扱い価値を値引くこと=「被害者の脱価値化」です。そう考えると非常に行動がわかりやすいです。
被害者の考え・価値観・感じ方、そういったものを否定し、被害者は価値のないものであるということにします。
「怒らせたお前が悪い」というモラハラ代表フレーズがありますが、この言葉はモラルハラスメントの実態をよく表した言葉だと思います。
加害者は被害者を貶めネガティブな感情を全部押し付けることで精神状態を保っています。
論点すり替えの天才「屁理屈モンスター」な自己愛性パーソナリティ障害
主なモラハラ加害者となる自己愛性パーソナリティ障害の人は論点をすり替える天才です。
「謝ったら死ぬ病」とも言いますが、基本的に自分を非を認めることは絶対的に阻止します。そのためには人の揚げ足を取り、論点をすり替え、話を捻じ曲げ、責任転嫁し、都合の悪い記憶は消去し、なにがなんでも自分は間違っていない、間違っているのは相手であるということにし続けます。
これらの行為は防衛機制によって反射的にそうしてしまう、といった病的な状態にあり、「謝ったら死ぬ病」と言われるように、そもそも自分の非を受け入れるという心の機能が壊れている状態にあります。
判断を曇らせる「私が悪い…?」という感覚〜ガスライティングの影響〜
そういった歪んだ会話を延々と自信満々にされ続け、「嘘の情報」を浴びせられ続けた被害者は、だんだん「自分がおかしいのではないか?」といった感覚に陥っていきます。
こういった被害者の「自分を信じる感覚を破壊していくこと」をガスライティングと言います。モラルハラスメント加害者は、被害者に誤った情報、嫌がらせを繰り返すことによって被害者を破壊していきます。
客観的にはまともな事実が揃っていても、突発的に「自分が悪い」という感覚に支配されて情緒不安定になって涙が止まらなくなったり、ガスライティングの被害にあった被害者は精神的に大きな傷を負ってしまうことが少なくありません。筆者自身もそうでした。
ガスライティングはマインドコントロール・洗脳の類なので、完全に解けるまでには時間がかかります。
「もしかして自分は自己愛性パーソナリティ障害なのではないか?」と思わされる
また、洗脳の渦中にある時は「自分が自己愛性パーソナリティ障害なのではないか?」とさえ思い込まされてしまいます。
モラハラ加害者である自己愛性パーソナリティ障害は「投影性同一視」が常態化しています。自分=相手として相手を認識しており、自分のネガティブなものは相手のものであり、また相手のものであると相手自身にそう思い込ませようとコントロールする、という性質があります。
よく自己愛(モラ)の自己紹介と言われる現象ですが、モラハラ加害者は「お前は自分勝手」「お前は思いやりがない」「お前は傲慢」「お前は…」、自己愛性パーソナリティ障害の特徴をそのまま被害者に向かって言ってきます。
こういった言動を執拗にされた被害者は、本当は加害者のものだったそれらの性質を自分の性質だと思いこむようになっていきます。
また、人には期待された行動を内面化して再現する性質があるため※、まさに自己愛化してしまったりもします。
(※成績が同じくらいの集団2つの片方に、「このクラスは優秀者を集めた」と言ってもう一方のグループと同じように教えると「自分たちは優秀だ」と思い込んだクラスの成績があがる。このような実験結果があります。)
モラルハラスメントは精神の殺人とも言われます。まさに人を破壊してしまう行為です。
モラルハラスメントからの脱却
自己愛性パーソナリティ障害には言葉が通じません。
まともな話し合いができない相手だということをまずは心から理解しましょう。
自己愛者側が不利になると泣き落としなどをしてくることもありすが、基本的に頭で算盤を弾いて得するように動いているだけなので、泣き落としに屈さないでください。
とても動物的なところで発達が止まっているので、上下関係・損得には敏感です。「これ以上被害者に関わると損をする」「これ以上被害者から搾取できない」ときちんと相手(加害者)に伝わることが大切です。また、加害者は常にターゲットを必要としているので、新しいターゲット(生贄)が見つかった場合はあっさりと引く場合もあります。
自己愛性パーソナリティ障害についての知識を身に着け、自衛し、戦略を立ててください。
個人的には「離れる」の一択です。ただ、一筋縄ではいかないことが多いので、なるべく損害を少なくして離れられるように知識を武器にしてください。
このブログにも自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)に関する記事を書いています。是非参考にしてください。