結婚してから相手が自己愛性パーソナリティ障害だとわかった、という話はよくあります。
それもそのはず、自己愛性パーソナリティ障害はとても外面がいいというのがむしろ特徴で、「まさかあの人が」ということが珍しくありません。
自己愛性パーソナリティ障害の異性関係
自己愛性パーソナリティ障害の異性関係は、支配・被支配の関係になることがほとんどです。
ただ、自己陶酔的な欲求を満たす方法を閉鎖的な人間関係以外で持っている場合は、家庭内でのモラルハラスメント（モラハラ）がそこまでひどくないということもあるにはあるようです。（もちろん、積極的にモラハラをしないからといって思いやりのある人間関係が築けてるのか？というとまた別の話です）
自己愛性パーソナリティ障害は自己演出が巧みなため、一般的にはモテます。
また、「最初はとても優しかった」と言われるように、ターゲットに対して距離を縮めようとする時の行動は非常に積極的です。称賛し、共感を示し（残念ながら演技です）、贈り物を贈ります。交際の始まりや初期はまるでドラマのような演出にうっとりすることもあるでしょう。（これらの行為をラブ・ボミングといいます）
「女を落とすのなんて方法論なんだよ」
このセリフは自己愛性パーソナリティ障害と思われる知人が口にしていた言葉です。
この人の話では、相手の感情が振れる中でこのタイミングでこういう言葉をかければいいというのには方法論であって、そうすればみんな落ちる、ということでした。
彼らの示す共感的態度の中身には心なんてものはなく、それはただの方法論なんですね。それも自分が利益を享受するための戦略としての、です。
自己愛性パーソナリティ障害はこのように、成功体験などで得た方法論を駆使して人の心をコントロールしていきます。
※ちなみにこの人はいわゆるイケメンではありません。
「手に入れると冷める」
この件の男性はいわゆるヤリ○ンでした。
また、他の女性にはセクハラをするということで影で情報が回っており、偶然を装った強制わいせつ、「そうせざるを得ないような流れを演出して」一人暮らしの女性の部屋に入ろうとするなど、かなり犯罪的な行為を何度もしている人でした。
彼にとって女は自分の欲を満たすためのモノなんですね。
一般的には結婚や出産など、あるきっかけを節目にして自己愛性パーソナリティ障害は豹変することがありますが、この人の豹変のきっかけは基本的には肉体関係だったようです。
（心理学的には理想化からの脱価値化）
「手に入れると冷めるんだよね～」と何の悪びれもなく飲み会で豪語していました。
普通こういった発言は、「相手を一人の人間として認識などしていない」ということと同義のため、ドン引きの対象となる発言なのですが、この人の場合は「自分はモテる」「女を手に入れた」ということが自慢になるという認識だったようで、ターゲットの女性がいない飲み会の場では得意げに話をしていました。
自己愛性パーソナリティ障害の人は、そもそも本人の人格が未成熟なため、他者のことも一人の人間として認識することはできません。
人と関わるときはいつも自分にとっての利益を得ることができるかどうか、自己愛性パーソナリティ障害の場合は「自惚れ」を手に入れるための道具として利用できるかどうか、ということです。
自己愛性パーソナリティ障害との交際
自己愛性パーソナリティ障害である相手がターゲットを「手に入れた」と思うタイミング=「支配を完了した」「自分の思い通りにしていい存在だと認識した」タイミングで、自己愛性パーソナリティ障害の見せる顔は激変します。
俗に言う「本性を表した」とされる顔です。
そもそも自他の境界が曖昧…というよりも殆ど無い、ので、自分=他人として認識できるようになった他者に対しては、その人が自分の思い通りに動くことを当然だと認識し、そうしないと怒りの表現・相手の罪悪感の利用、といった感情によるコントロールをしようとします。
前述の男性のように、異性に対して「戦利品」としての価値を求めるケースは基本的に言い方は悪いですが「使い捨て」です。
一方、対象へ強く執着・依存していくケースも多く、この場合は洗脳をベースとして被害者の人生に多大なる影を落とすことになります（もちろんヤリ捨ても大きな傷を残します。モノとして扱われたのですから当然です。）。
後者の場合は多くの被害者がインターネット上でも声をあげています。皆さん一様に「最初は優しかった」「全く違う人のようになってしまった」と言っており、その異常な言動に傷つきながらもがいていらっしゃいます。
そういった声に対して「なんでそんな人と結婚したんだ」といった自己責任をうたう人がいつも一定数いますが、外面のいい自己愛性パーソナリティ障害を見分けるのは実際難しいです。
自己愛性パーソナリティ障害は、「人の心をコントロールするにはどうしたらよいのか？」というのを無意識レベルで人生をかけて学んできている人物です。
相手に恋させるためのテクニックを持ち、ターゲットにせまります。恋に落ちると人は盲目になってしまいますから、そんなに簡単には避けられないことがおわかりいただけるかと思います。洗脳されてしまうんですね。
広告を見て商品を買う消費者はたくさんいます。魅力的に演出する力があるというのはそれだけで人をコントロールする力が強いことを示しています。
今回は自己愛性パーソナリティ障害の異性を引きつける力について書いてみました。
他にも人間関係の悩み・自己愛性パーソナリティ障害に関する記事をたくさん書いておりますので是非参考になさってください。
