言葉の意味が変えられていくことについて~家事ハラ・ジェンダーフリー・扶養控除・モラハラ

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先日、モラハラの加害者は人格障害ではない、という趣旨のツイートを目にしてからひとつ記事を書きましたが、この「言葉の意味が発案者の想定したものとは違うものへ変わっていく流れ」について、今まで起こってきたこと、起こっていることへの共通点がみられると感じたため、記事にしてみます。

家事労働ハラスメント~その言葉は誰を救うための言葉だったのか?

家事労働ハラスメントという言葉がありました。

 

食事の支度や後片付け、洗濯、掃除、育児に親の介護……。本来、だれもが必要とする「暮らしの営み」のはずの労働が、不公正な分配によって、どのように生きづらさや貧困を招き寄せていくのか。終わりなき「見えない労働」を担う人びとが、社会から不当に締め出されている実態に光をあて、直面する困難から抜け出す道を内外にさぐる。

(アマゾンの商品紹介より引用)→商品ページへ

こちらは2013年10月に出版した本です。

その後、「家事ハラ」は、全く違う意味の言葉にされてメディアによって扱われました。狙ったかのように、2014年のことです。

社会問題として問題提起された言葉が、その社会問題を「夫の家事にダメだしする妻」と、全く異なる問題へとすり替えられたのです。

アマゾンのコメント欄にて、時系列でその問題について言及されている方がいらっしゃいます。

まるで当然のことであるかのように搾取が見えない化されている問題について、「これは問題だよね」とスポットライトをあてる言葉は、なぜかその言葉の意味をめちゃくちゃにされてしまいます。意味の乗っ取りです。

都合が悪いから消そうとしているとしか思えないくらい、このパターンはよくあります。

ジェンダーと生物学的性別をごちゃまぜにして語るという手口

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今話題のジェンダー関連の活動についても同じことが言えます。

20年以上前のジェンダーフリーの活動は、固定的な性別役割分担意識を無くしていこうという活動でした。いわば「らしさ」の否定です。

ところが、このジェンダーフリーの活動、ジェンダーとはそもそも社会的な性役割を指す言葉だったにも関わらず、これに肉体的な意味をごちゃまぜにして男女の生物的な差を無かったかのようにする思想がブームになります。今がまさにそうですね。

男性の身体と女性の身体は違います。異なる機能を持っているため骨格も筋肉量も染色体も異なります。

ところが、ジェンダーフリーに乗じて「全て同じとして扱うべき」という主張がなぜか一部で強い影響力を持つようになり、「心が女」という生物学的には全く根拠のない主張によって生物学的男性(自認女性)が生物学的女性の競技に入って無双して賞金をとったり、相手の女性をケガさせたり、未オペでモノがついたまま女性更衣室に入り他の女性を凝視するなどの状況になっています(これらは主に活動が先行した海外にて)。

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ジェンダーフリー、これはそもそも「らしさ」を押し付け合うのはやめようということだったのですが、ここで「心は女」と主張する身体男性の方たちはむしろ「女ってこうでしょ」という服装などを強調して「自分は女だ」と主張します。

女という記号を否定しようという活動に、女という記号を身に着け、私は女だと主張し、生物学的にもそう扱わないのは差別だとしているわけです。

まるで被害者と加害者をひっくり返しながら被害者の立場を乗っ取るモラハラ加害者のような手口ですね。

男と女の性別は肉体的なものであり、ジェンダーという社会的な記号とは異なるものであるにもかかわらず、いつのまにかジェンダーフリーの活動の中に性別違和もない、性同一性障害でもない、レズを自称しながら自分は女だと主張する身体男性トランスジェンダーの方々が混ざってきました。

むしろジェンダーフリーは(従来の概念で言うところの)男らしい女も(従来の概念で言うところの)女らしい男もオールオッケー、の世界なのですから「トランス」という概念が存在しなかったにもかかわらず。

このジェンダーフリー活動の乗っ取りにより、窮屈な「らしさ」からの解放を求めていた女性は、身の危険と一層の抑圧を強いられるようになりました。

扶養控除の意味すら書き換えようとしている

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ただ“落とし穴”もあります。18歳まで児童手当が拡充されたとすると、一方で取りやめられるかもしれないものもあります。それは「扶養控除」です。

現在、16歳~18歳までの子どもを持つ親などは、所得税で年間38万円の扶養控除が受けられます。今後、この年代が月1万円、年間12万円の児童手当がもらえるようになると、控除の廃止などが検討される見通しです。つまり、年間12万円もらうことで、年間38万円の控除が受けられなくなるかもしれないということです。

どうしてこういうことをするかというと、「手当」と「控除」の二重補助にならないようにするためだといいます。税理士にも話を聞いてみましたが、「控除が廃止されたら、金銭的な負担が増える子育て世帯は出てくる」と話していました。

ただ、控除が廃止されたとしても、特別なことではないです。現在、児童手当の対象となっている中学生以下には、もともと扶養控除はないので、それと同じ状況になるということです。もし控除が廃止されなければ、高校生だけが特別扱いになるということで、そこも議論になりそうだということです。この辺について、首相は「年末に調整する」と話しています。

(引用:【解説】「児童手当」18歳まで月1万円…財源どうする 「扶養控除」廃止検討の見通し…税理士「負担が増える子育て世帯は…」 (msn.com)

扶養控除は、生活に必要な最低限のお金に関しては課税しない、という趣旨で存在する生存権に関わる制度です。

政府による補助ではありません

生存権、日本国憲法に則った制度です。

であるにも関わらず控除を補助の一環であると広めています。ここでも制度の意味を変えてきてますね。

そもそも生活に必要な最低限のお金などもう38万円で済むわけがないのにここを据え置きにされたままなのも問題です。

扶養控除から手当てに、ということで廃止されたにも関わらず所得制限を設け、満額支給などしたことがない、いわば生存権をとりあげて見せかけだけお手当てをあげているようにパフォーマンスするために利用されているのが今の中学生以下(のお子様を育てている家庭)です。これを拡大しようということですね。

日本の政治は詐欺がお上手です。

皆様騙されないようにしましょう。

本来、日本国憲法に従って、生活に必要な最低限のお金は控除するのが当然であり、その上で政府は子育て支援をする、というのがあるべき姿勢です。

生活に必要な最低限なお金は生活保護費から考えても38万円なわけがありません。

搾取する人間は言葉の意味を捻じ曲げて搾取しようとする

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上記三つをご紹介しましたが、この流れはどれも同じです。

誰かを守るためのもの、エンパワーメントするためのもの、こういった言葉や居場所を奪われているわけですね。そしてそこに奪う人間がいる、ということです。

冒頭にモラハラについて書きました。

これは先日の記事に詳しく書いてますが、モラルハラスメントも、提唱者は「自己愛的な変質者」という異常人格者が存在することを周知してくれました。

この気持ちが悪いものはなんなのか。

どうしてこんなことを?

理解できない

私が悪いの?

混乱で頭がおかしくなりそう

それを説明してくれたのです。

 

 

これらの本などから得た知識により、私は自分とは違う基準で人との関係を作っている人間がいることを教えてもらいました。

近年はモラハラの意味が変わってきている、ということについては前述の記事で書きました。

その記事でも

言葉の意味自体が時の流れで変わっていく、ということはよくあることではありますが、「これは間違っている」と主張されてしまうと本来提唱者の定義には存在していたはずのモラルハラスメント加害者の変質性が見えにくくなってしまうのではないかと個人的には危惧してしまいます。

と触れています。

人格障害説は間違ってる!というのが広まる、ということは、提唱者が広めたかった概念の否定です。

提唱者は何を守りたかったのでしょうか。

そして間違っている!という方たちは何を守りたいのでしょうか?

コミュニケーション模範を啓蒙するのと相手の異常性を知るのは別

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執拗な嫌がらせ以外のモラハラ行為についても、これは問題である、モラハラである、と認識することは、よりよいコミュニケーション模範を啓蒙する活動として考えた時にはとてもいいことだと思います。日本で希薄な人権意識についても考えるきっかけになるでしょう。

しかし、「通常ならありえないことをする人達」を見えない化することが得策だとは私は思えません。

モラハラ加害者もその程度は色々でしょう。いわゆる軽度モラであれば、実際そこらじゅうにいると思います。ただ、その人たちは嫌がらせをするために手間暇をかけますか?その人たちに病的な防衛機制である投影性同一視などはみられますか?認知の著しい歪みはどうですか?都合の悪い場面では乖離が起きますか?継ぎ接ぎと捏造だらけの記憶をもとに「話し合い(実際には屈服させるための場)」を要求しますか?

言葉の意味が変わるとき、それは「何を守りたい人の言葉であったのか」に立ち返っていただきたいです。

もし、モラハラの加害者は異常人格者などではない、とするのが一般化するのであれば、また異常人格者によるハラスメントを定義する言葉が必要になります。

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