タダだと伸びない

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SNSで「無料カウンセラーはするものではない」という記事がまわってきたので私も便乗して一考。

この世が等価交換だとは言いません。

しかし、とある技術を保有していて指導することもある立場から言わせていただくと、「投資意識」の無い人は伸びしろがいまひとつの場合がとても多かったです。

ここで言う投資はFXとかのことではなく、何らかの技術を身につける時に支払うものと考えてください。

お金を払っても手に入れたいという熱意

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一番違うのは心構え、気持ちです。

そして、心構えが違うと当然結果も違うんですね。

ボランティアは美徳…のように師匠に教わり、実際師匠にもだいぶご厚意でレッスンをしていただいたこともあったので、私自身無償で指導をすることがよくありました。

「お金無いんだけど…交通費くらいならなんとか…」とか、「ごめん、ちょっと教えてもらっていい?」とか。

やってよかったと思えることも、もちろんありました。でもたいていの場合は後悔に終わることの方が多かったので、今はもう頼まれてボランティア(頼まれてる段階でボランティアじゃないのですが)はしないようにしています。

「タダだったら貰いたい」程度の気持ちの時、だいたい真剣度合いが低くなります。

逆にきちんと謝礼を用意する方は、もともとその分取り返してやる!という覚悟を持ってくるので食いつきがいいです。

ハングリー精神

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「最近の若者はハングリー精神が足りない!」と年長者は言いますが、やはり意識の差というは大きいと感じます。

無料で楽しめる娯楽や無料で得られる情報も爆発的に増えました、数百円払えばサブスクも楽しみ放題です。大学は学問をしたい人が行く場所であったのに、今や就職のために行くという時代です。動機が違う学生が集まるんですから教える教授も大変でしょう。

満腹の状態で目の前に美味しそうな食事を出されても食欲がわかないのと同様に、そもそも欲求を感じていない人に与えても、それを口にはしないでしょう。

「タダだったら貰いたい」というくらいの意識だった人は、その場の指導では半ば強制力のある環境下だからなんとなくやっていたとしても、自主練習に生かすことはありません。そして次回行った時にまた同じことを言わせてくれます。あの時間と労力はなんだったんだ、といった感じです。

「金がない人からは取るべきではない」と考える指導者もいますが、たとえ高校生であっても昼ごはん一食節約したりペットボトル1本我慢するくらいはできます。どれくらいの意識でそれに向かうのかというのを実感として持つために、収入に応じ、たとえ格安であったとしても、ある程度の投資をした方がいいと私は思います。

「優しさ」からのつもりでタダで指導もたくさんしてきましたが、結果的に彼・彼女らの伸びしろがいまいちだったのは、互いに生産的では無い時間を過ごしてしまったという点でどちらにとっても優しさなどではなかったと今は思います。

本当の優しさは、どうしたら彼・彼女らを本当の意味で精神的にも技術的にも満足のいく方向に導いてあげられるのか?ということに気を配って己のエネルギーを活用することだと思います。

特に部活などでは、まだ自分で自分を養うということもやっていない子どもなので、無償で何かをしてもらうことを当たり前に感じているケースが少なくないです。ですが、その子達の学費も塾代も親が汗水流して働いたお金で出しているわけです。与えてもらって当然という意識はもう卒業して、感謝の心を持ちながら能動的に取り組んでもらいたいですね。

どのように気づきを促し、成長をサポートするのか。なんでもやってあげるのが教育者ではありません。様々な経験から自らの足で歩めるようにサポートするのが教育者です。

若かった頃の自分に自戒をこめて。

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