「言い方が悪い」と言う人(トーン・ポリシング)

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「これはおかしいのではないか?」

そのことを伝えようとしたのに「言い方が悪い」と議論にすらならない。

このように主張内容を無視して話し方の問題へと論点をずらすやり方をトーン・ポリシングと言います。

話し方のトーンを取り締まる(Policing)、トーン・ポリシングです。

論点ずらしの手法

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トーン・ポリシングは論点ずらしの手法です。

「何かについて議論している/議論を持ちかけている」のに、一方的に「どのように」にすり替えます。

これによって発言者の主張を妨げる効果があります。

トーン・ポリシング自体、「相手の主張内容は無視する」という行為ですので、立場的に優位にいる側が自分にとって不都合なことについて議論しないために用いるケースが多いです。

例えると、同様の言葉遣いで怒鳴る女性と男性がいた場合、男性はそれらがあたかも普通であるように、女性は「ヒステリー」「女は感情的」「言葉遣いが汚い」などと言われてトーン・ポリシングの対象になりやすいです。これにより発言者・発言内容の価値を「とるに足らないもの」であるかのように値引かれてしまいます。抑圧されている側の声を封殺するのにトーン・ポリシングは都合がいいのです。トーン・ポリシングという言葉が女性差別などの文脈でよく出てくるのはそのためです。

日常の中のハラスメントにも

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実際に「声をあげる」までには、それまでの経緯があります。

しかし、各種ハラスメントを受けていた人が、そのおかしさに気がついたり、もうこれ以上我慢できない!となった時、この論点ずらしの手法によって声を封殺されることはよくあります。

いつもさりげなく身体の一部を触られたりプライベートな質問をされるなどのセクハラを受けていた人が、普段の冷静な「やめてください」というトーンではなく、ついに「いい加減にしてください!」と不快感を前面に出して感情的に抗議をすれば、

「まぁまぁ…そんなに感情的にならないで。落ち着いて。あの人も悪気はなくてコミュニケーションのつもりだったんだよ。」

など、「そこまで感情的にならずにはいられないほど不愉快な目に遭っている」ことを無視されてしまったりします。

抑圧されていた者が声をあげる時、冷静さを欠きがちになります。それまでの鬱憤が溜まっているわけですから当然と言えば当然です。

そこでその態度を取り上げて非難してくる人は、本来議論すべき内容はそのままにして状況を改善しようとはしません。

「言い方が悪い」と言って口をふさぐ人は誰?

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筆者もかつて、セクハラではありませんでしたがまんま似たようなことがありました。

私の労働力をめぐる搾取についてでしたが、抗議したら「言い方が悪い」と言われまともな議論になりませんでした。

要は

・今まで通り無償労働しろ。

・お前に文句を言う権利はない。黙ってやれ。

ということですね。

「言い方が悪い」と言って論点をずらす人は、「その方が都合がいい」からそうしています。

搾取している側は搾取している方が都合がいいのです。

現状を変えることにコストが発生する場合は、そのコストを支払いたくないのです。

あなたの人生はあなたが決めていいのです。

過去の自分へも言ってあげたいですが、本来負う必要のない責任まで背負わされていませんか?

あなたの感じていることを尊重してくれる人間関係を大切にしてくださいね。

「何故か会話が捻じ曲げられて話が通じない人」、それは自分を守る心の仕組み、防衛機制が深く関係しています。この記事ではこのような過剰な防衛機制が働いてしまうために周囲とのコミュニケーションに困難を伴う自己愛性パーソナリティ障害について、その「なぜ?」を書いていきたいと思います。

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