「出過ぎた杭は打たれない」の嘘

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「能ある鷹は爪を隠す」には、隠している方がメリットがある…というよりも不要なデメリットを回避できるからという傾向があります。能ある鷹がどうして隠すようになっていくのか?について解説しました。

こちらの関連記事です。

「出過ぎた杭は打たれない」…?

「実力がそう変わらないと思われているから嫉妬される。もっと突き抜ければいい。」

という説がまことしやかに囁かれています。

さて、これはプロの卵期間を経て何かしらのプロになった人にはあるあるの体験とあるあるの激励?のひとつです。

しかし、これは嘘なのです。

今回はこの嘘について記事にしていきます。

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そもそも「打ってる人」は誰?

今まさに突き抜けようとしている人が「風当たりが強い」と感じる状況とはどういう状態でしょうか。

応援されない状態・邪魔される状態、ですね。

そもそもプロになれる資質のある人間は、プロの先輩方にまず目をかけられるようになります。「この子はこの業界で使える」と判断されるためです。そしてその多くはまず現場仕事としてアシスタント業務などを任されます。

業界は世代交代していくものですから、後輩が育たなければジリ貧です。その業界のプロの方々にとっては後輩育成もまた大切な仕事のひとつです。

そもそも出る杭は打たれる前に注目される・目をかけられるのです。

そして、そこでそれを面白くないと思う人物が登場します。

このブログで何回も登場している、そう、自己愛傾向の強い方々です。

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この自己愛者達は相対的評価に依存し、自己陶酔的なエネルギーを補充することによって虚無感から逃れて生きている、という性質があります。

そんな自己愛者達にとって、目の前で自分よりも目をかけられている存在がいることは認めたくない不快な現実です。自己愛者は身の程をわきまえるという感覚や自分を省みる能力を獲得していないため、不快な現実の方を破壊しようとします。詳しくは他の記事でたくさん解説しておりますので是非参考にしてみてください。

目立つ、ということはすなわち自己愛者達に目をつけられる、ということなのです。

自己愛者の攻撃は「自分を守るため」

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自己愛者は自分の劣等感を刺激したりする存在を徹底的に脱価値化し、自分の理想の世界の安全を守ろうとします。

脅威の対象を潰そうとするわけですね。

さて、この自己愛者はそもそも認知の歪みを抱えているからこそこういった問題行動をとってしまう人達です。

自分の都合の悪い現実を受け入れることができない、という障害なのです。

詳しくは↓

自己愛者の対人トラブルの多さは、「I am OK, you are not OK.」のモラハラ基本スタイルにプラスし、事実を捻じ曲げてでもそれを押し通す認知の歪みに由来します。

認知が歪んでいるから現実を受け入れられない相手に対して、どんなに「現実はこうですよ」と示したところで何も変わりません。

「実力がそう変わらないと思われているから嫉妬される。もっと突き抜ければいい。」

そんなことは無いのです。
京アニの人がパクられたと感じたように、どんなに荒唐無稽であっても「その人がそう感じたらそうなのだ」という世界に生きているのが自己愛者達です。

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「あの子勘違いしてるよね」「は?比較にならないのになんで?」と周りに言われるくらいでも、本人は「実力は変わらないはずなのに贔屓されてる」と認識するのです。たとえ通っている高校の偏差値が52と70でも、「私たちの高校の偏差値は同じくらいだよね」と言います。そういう人達です。

自己愛者は相手がより力をつけようとも、危機感と不快感から「自分の世界を守るためには相手を潰さなければならない」と無意識的に感じるだけです。

より動物的な段階で生きているため、倫理観を前提とした正攻法では効きません。

「偏桃体が暴走している」などと揶揄される状態のため、理性的ではないのです。

嫌がらせを受けてもモチベーションを保つことができるか

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結局のところ、「出過ぎた杭は~」は生存者バイアスがかかった言葉です。

残った人と残れなかった人の差は、「自己愛者によるハラスメント被害の程度」と、まともな周囲の人間関係に恵まれたかどうか、数々の嫌がらせを受けてもそれに取り組み続けられるモチベーションを保つことができるような望みを持てたかどうか、です。

自己愛者の陰湿な嫌がらせは対人操作などを伴い、ターゲットとなった人物を排除するようにターゲットの人格的評価を下げたり、自尊心を削ったり、自信を奪ったりします。外側からターゲットが活躍できない状況を作り上げ、取り組む意思を削いでいくというものです。

「将来有望な人」という周囲の評価をまずはガスライティング・デマによる名誉棄損などによって奪います。善人を悪人に仕立て上げ、居場所を奪うのです。

そして、本人に「自分はそんな評価を受けるに値しない存在なのでは?」と思い込ませるよう、ことごとく否定・批判を繰り返します。パフォーマンスに集中できないように物理的な嫌がらせや心理的な嫌がらせも行います。そうしてターゲットは思うようなパフォーマンスができないことが増え、自信も失っていきます。

これらのターゲットの価値を剥奪するための嫌がらせ被害を受けたターゲットは、ネガティブな記憶とその行動が結びつくように「躾けられていきます」

「自分は○○が好き。自分は○○でやっていけるかもしれない。」

こう思えていたターゲットの心に毒を浴びせ続け

「自分は○○には向いてない。○○をしようとすると嫌な思いをすることが多い。」

と思うように仕向けていき、ターゲットが○○できないように、○○で力を発揮できなくするのです。

自己愛者被害対策

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自己愛者は「自分がそこで優位な立場にいること」に執着するため、優秀な人は自己愛者に攻撃されます。

自己愛者は全体の利益など考えることができません。自分さえよければいいのです。

自己愛者がのさばるコミュニティの生産性は著しく低下します。

出る杭だろうが出過ぎた杭だろうが、自己愛者は叩かずにはいられません。

その攻撃をなるべく効かなくするためには、自己愛者の攻撃を見抜く人が増えること、自己愛者がのさばりにくい環境を整えることです。また、ターゲットになってしまった時に相手のおかしさにいち早く気がつき、相手の脱価値化を目的とした言動を受け取らないようにすることです。

「自分のことを思って言ってくれている」などと考えて毒の入った批判を受け取り続ければ、いずれその毒はあなたの心身を蝕みます。

こういった嫌がらせ・モラルハラスメントの加害者は「自己愛的な変質者」と言われています。まともな人だと思わないことが大切です。人を陥れるために手間暇かけて嫌がらせする人がこの世の中には存在するのです。

モラルハラスメントの被害により、被害者は健康を害します。また、加害者がのさばる職場などのコミュニティでは生産性が著しく下がります。特有の人格を有した加害者を抑止するためにはこの人格について知識を持つ人が増える必要があります。
同じ人間だとは思えない嫌がらせ行為の数々をし続ける人に出会ったことはありませんか? 人を無視し、人の悪評をばらまき、「私はあなたよりも価値が高いの」とでもいう言動の数々に、どうしてそこまで他人に関心があるのか不思議に思い、その異様な執着心はなにかの病気なのかなと思ったりしますよね。

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