難癖・いちゃもんをつける人の心理/自己愛性パーソナリティ障害

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執拗に難癖をつけてくる人に辟易としている方はいませんか?なぜかその人は無理やりこちらに関わろうとしてきては、とにかくあなたにダメ出ししたくてたまらない、あなたに勝ちたくてたまらない、そんな人ではありませんか?

自己愛性パーソナリティ障害の被害に遭った方の心には辛い記憶と共に自己愛性パーソナリティ障害(以下自己愛性PD)が巣食います。
それもそのはずで、そのこと自体が自己愛性PDの狙い通りだったりするのです。

自己愛性PDは一方的にターゲットに絡み、その人物の自己肯定感に傷をつけては自己陶酔を補います。世の中には一見すると普通の顔をした自己愛性PDの人が紛れています。本人は防衛機制によって問題行動を繰り返して周囲の人を破壊していきますが、本人自体はターゲットを犠牲にすることで元気でいられるので、病院を受診することは滅多にありません。病院を受診するのはむしろ被害者で、自己愛性PDの人が仮に受診をしても「自己愛性PD」という診断結果を受け入れることは殆ど無く(これも防衛機制による)、医者ですら手を上げているのが現状です。

ここではそんな自己愛性PDについて解説していきます。

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自己愛性パーソナリティ障害(人格障害)の投影性同一視

自己愛性PDの自我は脆弱です。人格形成の段階で障害を抱えているからこその「人格障害(パーソナリティ障害)」ですので、ちゃんと自分というのものがありません。そして、自分と他人の境界も認識することができません。「オムツが汚れて気持ちが悪い」という現象を自分で認識できずに泣き、周囲の人間に世話をしてもらうまで自分では何もできない赤子と同じような状態で発達が止まっていると考えていただけるとわかりやすいです。赤子は自他の境界がまだ無く、ただ「不快である」と混乱しているだけですね。

とはいえ実際はもう成人しています。成人している自己愛性PDはオムツの不快感と同等に、社会生活の中で生まれる嫉妬心、劣等感、敗北感…などなど日々の「思い通りにならない不快なこと」は自分以外の誰かがなんとかしてくれることを当然だと無意識レベルで認識しています。過度な甘やかしでそのようになった、あるいは過度に厳しい生育環境により現実逃避をすることでそのようになったといわれています。少なくとも人格形成に不適切な環境であったと考えられています。

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成熟した人間は自分で不快な感情と向き合う術をそれなりに身に着けています。代替案でなんとかしたり、他者との関係性の中で折り合いをつけて生きています。ところが、自己愛性PDはそれができません。そもそも自我が未発達ですので普通の人が認識するように他者を認識することすらできていません。「他人=自分」です。ですので当然のこととして、自分の不快な感情…例えば欲しいものが手に入らず嫉妬心が芽生えたのなら、それは自分ではない何者かのせいになりますし、欲しいものは自分のものになります。

人間には自分の心を守るために防衛機制というものがあります。投影というのは自分のネガティブな感情を他人のものだと認識することですが(例:AさんはBさんが嫌い。だけどAさんは「Bさんが私を嫌っている」と思う。)、自己愛性PDの投影は人格障害ではない人のように自己完結することができません。投影性同一視といって、自分のネガティブな感情は他人のものだと認識し、さらに実際に相手に同じ感情を抱かせるように行動していきます(コントロールしていきます)。

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自己愛性PDは無理やりターゲットの視界に入る

自己愛性PDはターゲットとの距離を無理やり詰めます。それは①ラブ・ボミングといってとても熱烈・友好的な始まりである場合もありますし、②ネガティブな投影性同一視による不愉快なコミュニケーションパターンで始まることもありますが、基本的にはターゲットの興味関心を半ば強制的に自己愛性PDに向け、自己愛性PDがターゲットを支配するための手段です。

自己愛性PDには不快な感情を押し付ける役割として他者が必要不可欠です。また、ネガティブなものを押し付けるだけではなく、自己愛性PDが欲しいものを持っている人間からはそれを「奪い取ります」。

エナジーバンパイアという存在がありますが、自己愛性PDはまさにターゲットから欲しいものを奪い取り、自分のネガティブなものは押し付けます。いわば強引に質の良いエネルギーと質の悪いエネルギーを交換しているのです。

自己愛性PDとの関わり始めを思い出してみてください。

①のパターンであれば、最初はとてもターゲットのことを褒めてくれたり贈り物をくれたり、「やっと出会えた親友・運命の人」のような始まりではありませんでしたか?その距離の縮まり方は普通でしたか?

②のパターンであれば、「あなたって負けず嫌いよね」「自分勝手」「偉そう」など、身に覚えがないようなこと…むしろ自己愛性PD自身のことではないかということを言われたりしませんでしたか?あるいは突然無視されたりしませんでしたか?自己愛性PDがあなたに意地悪をされているという噂がいつの間にかたっていませんでしたか?

自己愛性PDはそのようにしてターゲットの視界に無理やり入ることでターゲットをコントロールしてきます。

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投影性同一視によって引き起こされること

さて、ターゲットの興味関心を引いたところでいよいよ本格的に支配・虐待が始まります。被害者は自己愛性PDに心をかき乱されますが、それはなぜでしょう。

自己愛性PDはターゲットに自己肯定感を下げる言動を執拗に繰り返し、自分のネガティブなものを押し付けます。ターゲットの自己肯定感を下げるために周囲を巻き込み※ガスライティングを行うことも多く、被害者は徐々に「自分がおかしいのではないか」「そこまで言われるような原因が自分にあるのかもしれない」と自分に対する信頼感を失います。
※心理的虐待の一種。被害者に些細な嫌がらせをしたり、わざと誤った情報を伝え、被害者が自身の記憶や知覚、認識などを疑うように仕向ける手法。問題の矮小化や自己愛性PDにとって都合のいい合理化などもある。

自分自身を疑うようになった被害者はもはや自己愛性PDにとっては心のゴミ箱です。「お前は○○だ!」とターゲットを非難する時、それは実際には自己愛性PDの自己紹介に過ぎませんが、被害者は自分で自分を守ることがすでにできなくなっているのでその言葉を受け取ってしまいます。一方自己愛性PDは自分のネガティブな側面は他者のものとしたうえ、同時に人を見下すことによって優越感を得ることに成功します。「ターゲットよりも上な自分」という自己愛性PD的な優越感により、ターゲットが持っている良いものはまるで自己愛性PDのものであると自己愛性PDは思い込みます。

よく才能を持った人に執拗に絡んでアンチ活動をする人がいますが、あの現象は自己愛性PDの行動パターンと非常に酷似している思います。輝くものを持っている人を貶め、貶め、貶め、批判し、見下し、優越感を得る…というのは、自己愛性PDが「自分はすごい」と思い込むためには手っ取り早い手法のひとつです。

自己愛性PDは自我が脆弱なため「自己陶酔を得るための行動」を絶えずし続けなければ自我が崩壊してしまいます。ターゲットがいる時の自己愛性PDが病院にかかることはありませんが、ターゲットを失って鬱になった時に「鬱病だ」と思って病院にかかることがあるそうです。自己愛性PDは今にも鬱になる状態を回避するため、常に人との勝ち負けや上下を気にし、自分では処理できないネガティブな感情を他人のせいにしては楽になり、人から価値を盗み、自己陶酔を必死に集めています。他人を犠牲にすることでやっと「一見すると普通」でいられるのが自己愛性PDなのです。

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被害者の回復のために

自己愛性PDの性質を知ることは、自分の身に起こったことを整理する上でとても役に立つことだと思います。自己愛性PDの行動パターンは学問的にきちんと研究がされているものです。ということは、その病的な異常さは多くの人が認識しており、また被害者も少なくないということです。世の中にあるモラハラ、セクハラ、パワハラ、、その多くと自己愛性PDは関係が深く、末端にとどまらずその自己愛的な支配は社会全体にも蔓延しています。自己愛性PDにとって都合の良い世の中が自己愛的な人間によって作られ・維持されている側面すらあるでしょう。

被害に遭った方は自分の価値を踏みにじられ、自分の価値を奪われ、心の中をぐちゃぐちゃにされた気持ちでいると思います。まだ怒りや喪失感に苦しんでいる方もいるでしょう。私も長い間そうでしたし、今でもまだそういう感情が襲ってくることがあります。ですが、世の中は自己愛性PDや自己愛性PDの取り巻き(イネーブラーやフライングモンキー)になるような人間ばかりではありません。自己愛性PDの行動パターンを理解し、そのような行動パターンを取る人間を遠ざけ、あなたの価値をしっかりわかってくれて、あなたにリスペクトを持って接してくれる人間との関係を大切に築いていってください。

あなたには価値があります。人は自分が価値を感じないものには興味もわかないものです。価値があるからこそターゲットに選ばれてしまったのです。あなたを価値のある、心のある一人の人間として扱ってくれる人との出会いと今後の豊かな人生を応援しています。そしてそれは自己愛性PDが決して手に入れることのできない人生なのですよ。

■他にも自己愛性パーソナリティ障害(人格障害)に関する記事をたくさん書いています。この記事が参考になりました是非立ち寄ってみてください。

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