モラハラの被害者が逃げられなくなっていく理由~モラハラの手口

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「嫌だって伝えたら、話し合ったらわかりあえるのでは?」

モラハラを知らない人はそのように言ったりします。

まるで相手が「話し合ったら話が通じる相手である」という大前提が存在するかのように。

モラハラ加害者に話し合いは通じません。なぜなら都合の悪いことは認めないという障害だからです。

モラハラ加害者の精神構造

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モラハラっぽい言動をすべてモラハラだと言うようになってしまうとその本質を見誤るのですが、モラハラというものは「支配」です。

支配というものは権力勾配であったり、継続的な関係によって徐々に成立させていくものであったりしますが、そこには加害者にも被害者にも、互いに「対等ではない」という前提を形成する洗脳・マインドコントロールが施された関係があります。

モラハラ加害者は書籍では自己愛的な変質者と紹介されています。不健康な自己愛のまま成長した人格のため、健全な自我の獲得に失敗しています。こういった障害を自己愛性パーソナリティ障害(自己愛性人格障害)といいます。
(自己愛性パーソナリティ障害については他にも記事をたくさん書いているので是非参考にしてみてください)

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この障害は自分は特別であるという幼児的万能感や優越欲求などを抱えており、常に特別扱いであったり人からの称賛や関心を求めます。そういった特性のため、他者を一人の人間として尊重することができません。人間関係は支配や利用が基本となります。

また、モラルハラスメントというのはつまるところ精神的な嫌がらせ・虐待を意味しますが、いじめというものは広義の依存症であるとされており、加害行為に依存した状態にある人間が継続的・積極的に加害をせずにいられない状態になっているわけです。

モラハラ加害者というのは、「特別な自分」でありながら人を加害せずにはいられない依存症です。依存症である、ということはもはや理性でコントロールできる状態ではないということであり、一般人が矯正することはできず専門的な助けが必要であるということです。

モラハラ被害者の心の変化(洗脳の過程)

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加害者は支配対象の自尊心を破壊することによって支配していきます。

モラルハラスメント加害者の「ダメ出し」は、相手の善意や良心につけこみ、罪悪感や責任感を煽ったりしながら巧妙に被害者に罪・責任を擦り付けていくため、被害者は「もっとしっかりしなきゃ」などと一層の努力や我慢をしてしまったりします。

例)

①「こっちは○○で疲れてるんだからこれくらいのことやってくれてもいいじゃん。お前は気が利かないな。」

②「これ俺嫌いなんだけど。嫌がらせ?」

③「そんなことも知らないの?」

④無視やドアを強く閉めるなどの態度による威嚇

⑤「お前が気にしすぎ」

など

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ひとつひとつは小さなエピソードだったりもするのですが、こういったことを執拗に繰り返します。そしてそのメッセージは常に「お前が悪い&俺は正しい」「お前は劣っている&俺は優れている」「お前の感じ方は間違ってる」という内容です。

被害者は日常生活のあらゆることを過度に否定・批判されたり、「お前は~だ」といった事実ではない人格を否定するような指摘を受け続けたり、自分らしくいる時や楽しんでいる時に限って不機嫌になられたりすることを繰り返し、徐々に無実の罪悪感を抱え、自分が何もできないダメな人間であるかのような気持ちになっていきます。

こうして、被害者に落ち度はなくとも、良心を利用されることによって被害者は加害者の言動で自身の行動や思考をコントロールされるようになっていくわけですね。

被害者の人物像

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モラハラ加害者、もとい自己愛性パーソナリティ障害に狙われる人というのは、加害者の支配を受けやすくなる「良心」を持った人たちです。

良心を持っているからこそ、相手がこちらの善意や思いやりの気持ちでケアすればそれが返ってくると期待します。ですが、モラハラの加害者は前述のとおり、そういった心の機能を持っていません。

被害者はやさしい人です。相手が障害だと思えば助けてあげたい気持ちになるかもしれません。加害者の障害の原因も生育環境にあると言われているので、必ずしも加害者本人の責任ではありません。

ですが、被害者が加害者のケアをすることはできません。なぜなら依存症だからです。

依存症の人は、依存する行為を繰り返せば繰り返すほどその回路が強化されます。依存する加害対象となっている人間が近くにいてはいけません。

モラルハラスメントに気が付いたら、相手を知り、心にきっちりと境界線を引き、影響を受けなくなるために距離を置く以外にはありません(心理的・物理的に)。

あなたの良心ややさしさは、あなた自身が一緒に過ごしていて幸せにいられる相手と共有してあげてください。

参考書籍として、「自己愛的な変質者」について書かれた本↓

 

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