モラハラ加害者と被害者の生育環境について

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記事にするのが遅くなってしまいましたが、以前皆様にアンケートを行った時のまとめになります。

モラハラ加害者は自己愛性パーソナリティ障害とおぼしき親のもとで養育されたケースが多く、また「被害者体質」にもその傾向が強いですが、加害者の傾向が強く出る場合と被害者の傾向が強く出く出る場合で何か違いがあるのか?を調べるため、養育環境についてのアンケートを実施しました。

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<X(旧Twitter)におけるアンケート結果の転載>

読み込みができなかった時用に画像を順番に並べていきます。

※「閲覧用」の数値を抜いて割合を改めて出したものは画像を並べた下にまとめてあります。

以上がアンケートの結果です。

閲覧用の部分の数値を引いて割合を計算し直したものが以下になります。
※四捨五入しているので少しズレがございます。

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モラハラ加害者の生育環境に関する質問

①モラハラ加害者の生まれ育った家庭環境はどうでしたか?

DV・モラハラがあった 55.4%
わからないが変だった 39.5%
無かった 5%

②あったと回答した方、そこ(加害者の実家)での被害者は誰でしたか?

祖父母 3.6%
父 11.4%
母 29.3%
子(今の加害者や兄弟姉妹) 55.7%

③前の質問で「子」と回答した方のみ、その「子」とは?

本人 76%
他の兄弟・姉妹 13%
流動的 11%

④兄弟・姉妹間でモラハラ加害者はどの位置づけでしたか?一人っ子の場合は扱われ方で回答して下さい。

愛玩子 29.4%
搾取子 31.2%
流動的 21.1%
どれでもない 18.3%

⑤子供達に対する過保護・過干渉はありましたか?

過保護だった 25.6%
両方24%
過干渉だった34.7%
どちらでもない15.7%

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モラハラ被害者の生育環境に関する質問

①モラハラ被害者のあなたの家庭環境について教えてください。

DV・モラハラがあった 67%
わからないが変だった 16%
無かった 17%

②あったと回答した方、ご実家での被害者は誰でしたか?

祖父母 0.7%
父  1.5%
母 16.4%
子(自分・兄弟姉妹) 81.3%

③前の質問で「子」と回答した方のみ、その「子」とは?

自分 81%
他の兄弟・姉妹 4%
流動的 16%

④モラハラ被害にあったあなたは兄弟姉妹間ではどんな位置づけで成長しましたか?一人っ子の場合は扱われ方で回答してください。

愛玩子 6.9%
搾取子 52.1%
流動的20.8%
どれでもない 20.1%

⑤ご実家の育児は過保護・過干渉でしたか?

過保護だった 10.4%
両方 20.7%
過干渉だった 33.5%
どちらでもない 35.4%

⑥学校でのいじめなど、家庭の外での虐待被害の経験がありますか?

ある 76.5%
ない 23.5%

次に加害者と被害者の回答バランスを比較していきます。

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加害者と被害者の回答バランスの比較

Q.生まれ育った家庭環境はどうでしたか?

  加害者 被害者
DV・モラハラがあった 55.4% 67%
わからないが変だった 39.5% 16%
無かった 4.3% 17%
 

→自分の家の方が解像度があがりますが、被害者側は17%の人が無かったと断言しているので、加害者側の家の方が”おかしい”という傾向がわかります。

Q.あったと回答した方、ご実家での被害者は誰でしたか?

  加害者 被害者
祖父母 3.6% 0.7%
11.4% 1.5%
29.3% 16.4%
55.7% 81.3%

→加害者は自分以外の人間が虐待されている家庭で育った傾向が被害者よりも高いです。下の質問も含めるとおよそ半数になります。

Q.「子」と回答した方のみ、その「子」とは?

  加害者 被害者
本人 76% 81%
他の兄弟・姉妹 13% 4%
流動的 11% 16%

Q.兄弟姉妹間ではどんな位置づけで成長しましたか?一人っ子の場合は扱われ方で回答してください。

  加害者 被害者
愛玩子 29.4% 6.9%
搾取子 31.2% 52.1%
流動的 21.1% 20.8%
どれでもない 18.3% 20.1%

→愛玩子と搾取子の割合に加害者と被害者では開きがみられます。
被害者は半数以上が搾取子です。

Q.生まれ育った家庭では過保護・過干渉でしたか?

  加害者 被害者
過保護だった 25.6% 10.4%
両方 24% 20.7%
過干渉だった 34.7% 33.5%
どちらでもない 15.7% 35.4%

過保護・過干渉のあるなし、の全体傾向も加害者の方が高め(84.3%)&被害者の方が低め(64.6%)です。

そして過保護の割合にも差がみられます。
加害者が過保護多めですね。

また、被害者は35.7%の人が「どちらでもない」と回答しています。
一番最初の質問の回答も、DV・モラハラは無かったと断言している被害者が17%なので、「被害者体質」でなくとも被害に遭い、その中には健全育ちの方も結構いるということですね。

最後は被害者だけにいじめ体験について質問しましたが、家以外での被害体験を持つ人が76.5%にのぼりました。

自己肯定感が下がる体験がさらに同様の体験を引き寄せることに繋がっていることをみることができます。

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まとめ

「加害者も元被害者」というのはよく言われることですが、アンケートをみると被害者の方がむしろずっと被害者です。被害者が加害者に同情をかけることの滑稽さがおわかりいただけるかと思います。

アンケートでも加害者は「加害を学んだ形跡がある」ということがみえます。また、誇大自己を育む傾向がみえる家庭環境もアンケート結果から推察されます。

傷ついた心や奪われたエネルギーは、また他者を傷つけ奪うことで補充する…この不適切な学習によって虐待が連鎖しています。

モラハラやDVのある不適切な環境で生きていたことが背景にあったとしても、自分の癒し方が間違っているのが加害者なのですね。

被害者の皆様は、モラハラから逃げたあと幸せに暮らせることが多いので、加害される環境から離脱さえすれば自分で適切に癒していける人たちが多い様子です。

長いアンケートでしたが、ご協力いただきました皆様どうもありがとうございました。

自己愛性パーソナリティ障害が生まれ育つ背景には自己愛性パーソナリティ障害の親がいることが殆どです。そして、自己愛性パーソナリティ障害の被害に頻繁に遭ってしまう「被害者体質」、心理学的には共依存傾向のある人が生まれ育つ環境にも、多くの場合家族に自己愛性パーソナリティ障害がいます。
虐待の連鎖とは「支配と被支配の関係性」を学ぶことによって引き起こされます。人間が人間になる過程において、家庭での人間関係というのはその人の人間関係の基礎となります。したがって、虐待のある家庭で生まれ育つということは「虐待」という関係性を学び、それを基礎として人間関係を構築するように

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