世間をにぎわせているモラハラ男、甲斐性無いのに不倫男、借金男、口だけ男…。 そんな、一般的にはダメ男といわれる男に惹かれる女性がいます。
その「なぜ?」を心理学の本を読み漁った管理人が解説します!
ダメ男に惹かれる女のなぜ?
付き合ってもデメリットしかなさそうなのに、一体彼女達にとってダメ男の何が魅力なのでしょうか? よく、殴られながらも「あの人は本当はやさしいの」とか、「あの人も弱い人だから」とか言う人がいます。
普通は「…いや、やさしい人はそもそも殴らないよ?」と思うわけですが彼女達はそうではありまん。 それは彼女達にある根深い闇が関係しています。
心の穴を埋めてもらいたい
彼女達は平常時、無価値感に苛まれています。
「ありのままの私では価値がない」そういう感覚です。
そこで、自分の価値を証明する必要を感じている彼女たちは(無意識です)、自分が何かの役に立ったり価値を提供することによってその無価値感を埋めようとします。
無価値感の補償行為にも色々な種類があるのですが、男で埋めようとする人は「愛されること・必要とされること」に依存するようになります。 こういった人に依存してしまう状態を共依存といいます。
ただここで厄介なのが「君が好きだ~!!」と熱烈アピールで超大切にしてくれる人になびく程単純ではないところにあります。
根本的に「私はそのままでは無価値だ」と思っているので、自分に相応しくないと感じる扱いに違和感を覚えてしまいます。 「こんなによくされるなんて何かおかしい」「何か裏があるのでは?」など、悲惨なことに大切にされると逆に不安を感じてしまったりするのですね。
「自分=無価値」が基準になっているので、そんな「無価値な私に相応しい男性」を魅力的に感じるか、「無価値な私に付加価値をつけて愛を得よう」とします。
私は価値を提供するから好きになってよという姿勢ですね。これは相手に支配されやすい姿勢でありながら、見返りを求めて何かをするという相手をコントロールしようという姿勢でもあります。共依存の状態にある人というのはこのような人間関係を構築しがちになってしまうのですね。
なぜそこまで自分の価値を通常では感じられないのか?
その原因はそれまでの成育環境にあります。
家庭内でとても厳しく育てられたなど、本人が無条件で愛されるという感覚を持てないまま育つことによって「愛されるためには何かが必要」だという認識を持ちます。
本来、愛のある関係とはこういった物々交換のような関係では無いのですが、この誤った認識に基いて恋愛をしていきます。 というか、「ありのままで受け入れられる」という発想がありません。 全く違う文化の国に住んでいるようなものなのですね。
本当に「幸せ」なのか?
根本的に彼女らの献身的な愛は「愛を獲得するため」の行為で、元を辿っていくと「そうしないと愛してもらえないから」という「(愛が)無い」ところから始まっています。
いわば無価値感や不安感からの逃げであり、依存です。
献身的な愛のように見えますが、愛情ではなくて依存、執着なのですね。
なのでそもそも「幸せ」を知りません。
無条件の愛で互いが慈しみあい、安らぎの中で感じる満ち足りた愛…とは性質が異なっている彼女たちの「刹那的な愛(←愛のようなものだが実際は違う)」ですが、もっとも、その性質の違いも感覚的には理解していません。理解できる経験が足りていない状態なんですね。
周りの人達の普通の恋愛を羨ましいと思う感情を持つ場合はあっても、それが理解できずに行動としては間違ったパターンを繰り返してしまいます。
例)「なんでそんなのと付き合ってるの?」の基本パターン
①「これだけ尽くしたんだから愛してもらえるかな?」
↓
②「ありがとー。でも、もっと欲しいな!」
↓
①②繰り返し 「彼女が感じる自分自身の価値」と「扱いに表現される彼から彼女への評価」に均衡が取れているかぎりは続く)
↓
③均衡が乱れ、彼女のストレス値が高まる
↓
④男が急にやさしくなる(DV男でいうところのハネムーン期)
↓
⑤彼女、一時的に満たされる(麻薬のような効果あり)
↓
最初に戻って繰り返す
これはDV・モラハラと共依存関係になっているケースで見受けられるパターンです。
ちなみに普通の男性だと①の段階で、彼女の尽くす姿勢が「ありがたい」から徐々に「重い」に変わっていきます。 だんだんおせっかいになってくるんですね。
彼女の動機は「これをしたんだから私をもっと愛して!!」ですから、感覚的にそこに彼女の欠乏感があるのを感じ「埋めなくてはならない」という義務感などから息苦しくなっていきます。
彼女らが本当に尊重しあえる関係を築けるようになるには
まずは彼女自身が自分が学んできた対人スタイルとは別の対人スタイルを知り、選択出来ることを知ることです。 そのうえで、自分でどの対人スタイルをとるのか決めることです。
必要に迫られ「愛されるためには代償を求められる」環境に適応した結果、自分の心に蓋をすることに慣れている彼女らは、自分が何を望んでいるのかすらわからなくなっていることも珍しくありません。
多くの場合「いい人」として通っていて、周りの空気を読んで周りの期待にこたえた言動をする場合が多いです。DV・モラに捕まらなくとも、日常生活の中で「都合のいい人ポジション」になることも多いでしょう。
そういう生き方しか知らなければそのようにしか生きることはできませんが、まずは自分の感情に気がつくことができるようになるのが第一歩です。
共依存者は人の顔色をうかがうことに慣れすぎていて、自分が何を感じているのかに鈍感です。まずは日常の中で、快か不快かの自分の中に生じる心の動きを「~であるべき」という視点ではなく、ただ感じることが第一歩です。
自分の心のクセに気づく
厳しい環境に適応した人には、様々なルールが刷り込まれています。
そのルールを破ろうとする時、罪悪感がわいたり、心がざわざわします。
そうなった時になぜそう感じたのか?を紐解いていると、その理由に妥当性がないことに気づきます。 そしてその無意識で縛っていたルールをどんどん破って少しずつ行動を変えていくと、意外に「外の人達」のルールは緩かったことに気づきます。
例えば、親に自分の進路を自分で決めることを許されない環境で生きていた場合、自分の好きなことをしていることにすら罪悪感がわきます。犯罪をおかしているわけではないのに、犯罪をおかしているような気分になってしまうのですね。だって幼少期から「自由に生きることは犯罪だ」と教えられているに等しいわけですから。
家の中のルールと外のルールが全然違うので、家のルールを身に着けて外にいると不具合がおきてしまいます。
「だめんず・うぉ~か~」は誰?あなた自身?お友達?気になる彼女?
あなた自身なら。 あなたが変わりたいと望むのなら、変わることが出来ます。前述の「心のクセ」に気がついて修正していく作業を日頃から行っていってください。あなたが思うよりもずっと、優しい人は世の中にたくさんいますし、あなたのことをダメだと言う人の方が問題のある人物であることが多いです。
お友達が変だなと思ったら、まずはお友達が本当に楽しいと感じる時間を是非一緒に共有してください。「交換条件ではなくて満たされる人間関係が存在する」ことを知ることは共依存者にとって回復の手助けになります。
また、注意点ですが、DV被害者は洗脳されます。多くの場合、彼氏にDVを受けている彼女は、彼以外の人間関係から徐々に切り離されます。そういった事情も理解して「様子を見る」&「いざとなったら隔離できる」ことは大切なことです。
気になる彼女が変な男に引っかかっていたら? ヒーローですね。 エールを送ります。「お友達が変だなと思ったら」を参考に、良好な人間関係が他に存在するということを経験させてあげてください。
現彼女が長らくダメ男とばかり付き合ってきた人だったら? 最初は特に重いと感じるかもしれません。 でも、彼女の思い込みを少しずつ修正して不安感を軽減できてくると明るい未来が待っています。元々自分の存在価値を「提供する価値」で捉えているので責任感は強いです。男をATM化して家事もしないといったタイプにはならないでしょう。依存傾向があり寂しさを感じやすいですが、愛情表現と助け合いというケアを意識的に行っていくことで、支え合えるいい関係を築けると思います。
さいごに
心理学の本を読み漁ったのは、読み漁る必要が私自身にもあったからです。笑
人生は色々ありますが、この記事が誰かの役に立つことを祈りながら書いています。他にも人間関係の悩みに関する記事をたくさん書いているので是非参考になさってください。