自己愛者は無責任です。
責任を負いたくありません。
ですが、現実を受け止めることができないため、対人操作をはじめとして、他者をコントロールして自分に都合よくしようとします。
それが数々のトラブルの原因となります。
バレにくい嫌がらせ、これくらいなら…と我慢してもらいやすい嫌がらせを好みます。それはデメリットが比較的少なく、言い逃れがしやすいため「安全圏」から他者を攻撃・コントロールしやすいからです。
なぜ自己愛者はこういった嫌がらせ行為をするのでしょうか?
それは自己愛者が抱える心理的課題のせいです。
現実を受けとめられないから無責任
そもそも病的な自己愛を抱えている人は人格形成において大きな課題をクリアしていません。
それは「いいことも悪いこともグレーもある」、という統合された感覚の獲得です。
自分自身だけでなく、他者に対してもそうですが、自己愛者は物事を全か無か思考でしかとらえることができないのです。
全か無か思考ですから、自分は素晴らしくなければ「無」です。
グレーは存在しません。「こういう悪い部分もあるけど、まぁいっか」なんて思える健康的な自己愛は持っていません。
「自分は悪くない=悪いのは自分以外」というのは自己愛者の基本ですが、これはこの統合に失敗した自己愛者の行動パターンです。「自分にも悪いところがある」と認識したら「全部自分が悪い」となってしまいますから、それは防衛機制によって認識しません。
自己愛者は心を守る機能によって守られているわけです。どんな現実をも自分を守るために歪めて認識する、認知のゆがみですね。
軽度の方はこの歪みについていくらか自覚することが可能なようですが、本当に病的な方はこの自覚こそが困難であるため、会話は成立しません。
都合の悪い記憶はすっぽりの抜け落ちます。
このように、病的な自己愛ゆえ、悪い自分・価値のない自分というのは認識しないことで自分を守って生きている自己愛者。
自己愛者が無責任なのは、責任を全うするという能力が不全だからです。
責任を果たせない自己愛者は自分で自分を変える能力を持っていませんので、代わりに周囲を「自分にとって都合のいい現実世界」を作るための駒として扱えるようにコントロールしていきます。
それが数々の嫌がらせ行為につながっていきます。
自分にとって都合の悪い存在の脱価値化や排除、などがその目的ですね。
小さな嫌がらせの種類
自己愛者の攻撃は「あれ?これ気のせいかな…?」と被害にあった人が違和感を抱えながらも指摘しようか迷う程度の攻撃が多いです。
仮に他者に相談しても、「気のせいじゃない?」「たまたま機嫌が悪かっただけかもよ?」そういった言葉が返ってきやすいです。
・挨拶したけど素通り
・私が話の輪に入った瞬間相手が抜けた
・連絡ミス、連絡もれ
・暗に「あなたの主張・あなたの所属・あなたの価値観を認めない」という意味を含むほのめかし
・暗にあなたの功績などを値引くニュアンスを含むほのめかし
こういったことは、一度や二度ではそこまで不思議ではありません。
しかし、これを何度も何度も繰り返すことによって効果を発揮していくわけです。
一撃必殺技であったり、「こうかばつぐん」ではないのです。
ちまちまちまちま相手のHPを削っていくような、そういう攻撃です。
それでいて被害者以外は気づきにくい、これが自己愛者の攻撃をより効果的なものにしていきます。
このような嫌がらせは主にコミュニティの中でよくやられるモラルハラスメントの典型的な手法の一部です。
被害者が被害を訴えたら加害者に仕立て上げられる
特に対人操作に長けたタイプの自己愛者は、攻撃対象(ターゲット)を陥れるために他人を上手く活用していきます。
そこで取り巻き(フライングモンキー)の獲得と操作です。
被害者はいよいよダメージが蓄積され、加害者に対してもネガティブな印象を持つようになります。当然です。攻撃されているわけですから。
ところが、その攻撃が傍から見るととても見えにくい、というのが問題です。
被害者が加害者と極力関わりたくないことや、加害者に対してネガティブな感情を抱いているその理由が周囲に理解されません。
被害者が怒って加害者に反撃をしたら、これ幸いにと散々モラルハラスメントを繰り返していた加害者である自己愛者は「こんな攻撃をされた」と被害者になりすまし、本当の被害者を極悪人のように演習していきます。
反撃は自己愛者によって「被害内容」にされます。内容は切り取りされ、誇張され、より大きな被害に見せかけられて周囲の人間の正義感や同情心を煽った味方づくりに利用されます。
そして、自己愛者の味方になったフライングモンキーは本当の被害者を攻撃するのです。
これがよくある自己愛者の手口です。
違和感と記録が大事
些細なこと、違和感、これらはとても大切です。
人が感情的になって誰かの味方をしているとき、真実を見極めることはとても大切です。
モラルハラスメントは見えにくい嫌がらせです。
そして、加害者は自分を飾るのが得意です。そうせずにはいられないのですから。
SNS上でのエアリプや、投稿でのほのめかしなど、インターネット上でもこういった嫌がらせはよく見ることができます。
違和感のある言葉を見つけた時は、自分の発言と並べてそこにネガティブな意図があることが分かる記録を作っておきましょう。一度では効果は薄いです。ですが、それが何度も何度も繰り返されているのがわかれば、周囲の人にも伝わります。
こうして作った資料は、自己愛者による対人操作に大きな影響を与えることのできる資料になります。
コメント
ナルさんの記事を繰り返し読むことで、なんとか仕事を辞めずにここまでこられています。
嫌がらせを受けるようになり、約1年半。初めの半年は誰にも話せず、周りにも理解得られず、ほんとに辛い日々でした。
この記事にあることほぼ全て当てはまることに驚き、救われています。まさに、安全圏からの攻撃、コントロールというものです。
私は何が正しいのか、自分の選択が怖くなりました。今は関わりがなくなったものの、相手が怖く、同じ空間にいることは苦痛です。ただ、自分の感情は、だんだんと変わっていき、今は憎しみや嫌悪感しか残ってないです。
感想のようなコメントですが、私のように救われている方たくさんおられると思います。
コメントどうもありがとうございます。
私がこうしてブログを書いたり情報発信している目的の一つである「過去の自分を救うこと」ができていることが実感できて、私も嬉しいです。
どうかどうかご自身を見失うことなく、自分らしいとりんごさんが思える人生を歩んでいってくださいね。
職場ですが、すれ違っても、退社する時も、挨拶にも返事はありません。まるで見えていないかのようです。
器用に、通る相手により、挨拶する、しないを使い分けています。それは、背中越しであれば、声で誰かを見極め、挨拶するしないといった感じです。
わかってはいても、無視は傷つきます。
今年度はパワハラ相談も考えています。
ツイッターの方で身バレが怖くて、コメントを削除しました。すみません。
この、無視を気にしないで済む方法や、気持ちの持ちようがあれば教えていただきたいです。
自己愛者特有の突然の無視は、無視する側の問題です。
また、ましてや職場で通常マナーとされていることすらできないのも本人の問題です。傷つく価値すらない相手であるということが腑に落ちるとりんごさんの気持ちももう少し楽になるかもしれません。
周囲の人は気づいていますか?自己愛者はヒエラルキーを気にします。
自己愛者では無い人達との関係を大切にしてくださいね。
傷つく価値すらない。そうですよね。
返信をありがとうございます。
これからも記事を拝見させていただきたいです。
ありがとうございます。
[…] 小さな嫌がらせを執拗に繰り返す自己愛性パーソナリティ障害 […]